2024.01.09 【製造技術総合特集】製造装置 主要各社の24年戦略 大陽日酸

川元 事業部長

MOCVDなどの先端分野を展開
オープンイノベーションを活用し、共同開発進める

 大陽日酸のイノベーションユニットCSE事業部は、産業ガスで培った技術を起点に、化合物半導体製造装置(MOCVD)などの先端分野の事業を展開する。

 2023年11月1日付でCSE事業部長に就任した川元淳事業部長は、「これまで約30年間、現電子機材ユニットに所属し、直近約9年半はグループ会社の台湾日酸で台湾半導体製造の前工程顧客向けに電子特殊材料ガスなどの販売に従事してきた。その経験を業務に生かしていきたい」と話す。

 同事業部は、マイクロLEDやパワーデバイスの量産製造に適合し得る窒化ガリウム用多数枚基板MOCVD装置「UR26K-CCD」を23年6月に発売した。

 また、高い殺菌効果が期待できる深紫外線LEDを高品質に製造するためのスパッターAINテンプレート上UVLEDを多数枚基板MOCVD装置でデモンストレーションし、国際学会(ISPlasma)でThe Best Oral Presentation賞を受賞した。

 酸化ガリウム用MOCVD装置も上市し、23年9月に成膜結果の発表が応用物理学会で講演奨励賞を受賞している。

 酸化ガリウム用MOCVD装置とスパッターAINテンプレート上UVLED向け6インチ多数枚MOCVD装置は、同社の「オンリーワン技術」だ。

 生方映徳イノベーションユニット主任研究員は「長年、化合物半導体事業を展開してきたが、最終製品に至るまでのトータルコストなどが普及へのハードルだった。しかし、市場全体で製造技術などの技術革新が進んだことで実用化の時期が近づいてきた感触がある。先端技術を活用した製品が生活に身近なものになってきていると感じており、そうした夢のある未来にわれわれの装置で貢献していきたい」と話す。

 24年の取り組みについて、川元事業部長は「主力製品をターゲット顧客にPRしていくとともに、オープンイノベーションを活用した共同開発を強化しながら、3~5年のスパンで技術開発を実現したい。そのためには事業部の人的リソースも拡充していきたい」と述べた。