2024.01.09 【製造技術総合特集】製造装置 主要各社の24年戦略 三菱電機FAシステム事業本部機器事業部
横山 事業部長
需要を見越し生産拠点に投資
インドでの市場拡大に期待
三菱電機FAシステム事業本部は生産現場への省エネ機器やソリューションの提供、オートメーション技術の活用を通じて持続可能なものづくりを支えている。機器事業部は回転機や配電制御機器、コントローラー、駆動制御機器、産業用ロボットなどを提供し、自動化による生産性向上の実現を支援する。
横山誠FAシステム事業本部機器事業部長は「2021年から始まった部品の供給逼迫(ひっぱく)だが納期の解消が進んできた。年度内にはほぼ正常化が図れると考えている」と話す。
国内顧客向け受注残の消化が進み、23年度売上高は前年度比微増の見込み。半導体は調整局面となったが、自動倉庫やEC物流、食品関係が好調継続した。
今後の需要増を見越し生産拠点への投資を強化する。名古屋製作所尾張旭地区(愛知県尾張旭市)の新生産棟は25年の稼働開始に向けて建設中だ。昨年6月には第二生産棟の追加投資を発表。27年の稼働を目指す。横山事業部長は「生成AIやメタバース、自動運転、カーボンニュートラル関連の需要に向け装置メーカーは増産対応に動く。当社には中期的な需要が見込まれ、戦略的に生産増強を図った」とFA制御システム製品の生産体制強化の意図を説明する。
成長著しいインドでも生産力を増強。約38億円を投資してマハラシュトラ州で建設中のFA制御システム製品工場は昨年12月に生産を開始した。製造するインバーターは、同国で投資が進む自動車や水処理システム、繊維など活用分野は広い。「インバーターを使った自動化ニーズは高く、ポテンシャルは高い」と同国市場拡大に期待を示す。
23年は中国の景気後退懸念が強まったが、EVなど中国市場の成長性はなお高い。EVもバッテリーの組み立てなど関連する業界の裾野は広く、ソリューション提案を軸に拡販を進めたい考えだ。
シーケンサーやサーボなどのコンポーネントを軸にソフトと連携して生産現場の効率改善で寄与する取り組みをさらに強める。「ソフトとハードを融合しトータルにソリューションを提供することで顧客のものづくりに貢献したい」と話す。