2024.01.18 【情報通信総合特集】ソリューションプロバイダー 24年の見通し・経営戦略 OKIクロステック 竹内敏尚社長

GXと医療領域に注力
新紙幣の機器対応などを急ピッチで進める

 今年7月3日の新紙幣発行に向け、多忙な状態が続いている。システムや機器の入れ替えなど急ピッチで進めている。新設される半導体工場の電気通信工事の受注も目立つほか、都心の再開発事業の案件も増えてきた。既存のビルでも電気や通信系設備を一新して、運用保守も含めて価値を高める取り組みも進んでいる。

 従来の保守サポート領域に加え、新領域として「GX(グリーントランスフォーメーション)」と「医療」分野の支援を掲げている。GXでは、パナソニックとEV(電気自動車)充電ステーションのシェアリングサービス事業で提携した。当社は全国約180の拠点網でICT構築から工事、保守までを一貫してサポートできる体制を生かし、EV充電インフラ設備の保守運用サービスを行う。

 充電施設が増えなければEVも増えない。EVは蓄電池として活用できGXにも貢献する。充電施設で収益が上がるモデルを構築して普及を促進したい。

 昨年4月から、企業や自治体の建物の屋根に太陽光パネルを無償で設置し、使用した電力量に応じて電気料金を請求する「PPA(電力購入契約)」事業を始めた。OKI本庄工場(埼玉県本庄市)に太陽光発電システムを設置してモデルサービスも展開している。今後は蓄電池の有効活用も含め、総合的に進めていきたい。

 他社に先駆けて支援する医療分野では、全国規模で保守対応できる体制を整え、増大する医療現場の労働力不足や業務負担に対応するため、医療機器の修理・点検業務の受託サービス体制を拡充した。全国46拠点に約300人の医療機器修理責任技術者を配置し、業界トップレベルの体制を構築した。2025年までの3年間で10億円の売り上げ増を目指したい。さらに歯科用機器や治療用・施設用機器、検体検査用機器関連の修理区分の資格取得も強化。

インタビューに答える竹内社長

 マイナンバーカードの健康保険証利用に伴い、マイナカードの資格情報をオンラインで確認できる「オンライン資格確認」端末の設置が全国の医療機関や薬局で進んだ。中小のクリニックや歯科医院も専用ネットワークでつながり、電子カルテの活用も拡大が見込まれている。全国に拠点を持つ強みを生かして手助けしていきたい。

 24年も新紙幣対応など多忙な状況が続くが、設置した機器には保守が付く。今後の鍵を握るのは蓄電池だ。まだ高額なため普及は足踏みしているが、運用保守も含めて他社とは違う切り口での活用を検討していきたい。