2020.04.03 新型コロナ情報サイトが話題 関連機関発表の一次データ基に感染者数や病床数一目で

データ提供を呼びかけているjig.jpの福野会長

新型コロナウイルス対策ダッシュボード新型コロナウイルス対策ダッシュボード

2日午後4時の東京都のデータ2日午後4時の東京都のデータ

 〝COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード〟と名付けられた、新型コロナ感染者数や病床数などが一目で分かる情報サイトがネットで大きな話題になっている。

 開発したのは福井県鯖江市のソフトウエア開発企業jig.jpの福野泰介会長。子どもパソコン〝IchigoJam〟シリーズを開発し、小中学生へのプログラミング啓発活動や、オープンデータ活用推進で知られている技術者だ。

全国版のボード

 〝COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード〟には、都道府県別累計PCR検査陽性者数、累計退院者数、死亡者数、現在患者数、感染症病床使用率(参考値)などが示されており、関連機関が発表する一次データとリアルタイムに連動している。

 ボード作成のきっかけは、東京都と非営利団体Code for Japanが3月上旬に始めた〝東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト〟が立ち上げられたこと。

 メンバーの一員として作成にかかわっていたが「厚労省発表のデータをまとめられないか、という話があり、都道府県ごとのデータをまとめたアプリを同13日にネット上に公開した」と福野会長。

 同時に「日々変化している今、地域ごとの現在患者数と感染病床数のリアルタイムな把握が、医療現場、行政、市民いずれにおいても重要です。自治体・医療機関の方、新型コロナウイルス対策感染症病床数の一時情報の公開をお願いします」などと訴え、賛同者による一次情報公開サイトの情報提供を受けて、ボードの充実を続けている。

医療関係者から助言も

 病床数を加えたのは、福井県で初感染者が出た同18日が契機。当初は感染症病床数に結核用病床数も加えていたが、医療関係者からの助言で感染症病床のみを対象としている。

 画面写真のように、大都市圏はもとより、各地の病床数がギリギリなことが一目瞭然だ。

1日10万人が閲覧

 フェイスブックでの拡散数は4万8000、1日に10万を超える人が閲覧しているこのアプリ。福野会長は「コロナ以外の患者さんもいる。隣接県との協力体制を取る場合など、全般的な情勢掌握にも役立てていただきたい。中央から発表されるデータは、どうしても1日遅れになってしまう。精度を上げるため、今後は市区町村など、キメ細かく迅速な情報発信をお願いしたい」と強調する。

 福野会長は「今後は病床だけでなく、臨床工学技士、人工呼吸器、ECMO(体外式膜型人工肺)のデータも把握できるものにしていかなければならない」と考えており「プログラミング教育で連携している途上国の技術者とも連携を取り、新型コロナウイルス対策に取り組んでいきたい」と話した。

 完全オープンの〝COVID-19 Japan〟。日本の英知を集めて新型コロナウイルス対策に役立てたい。