2024.01.25 電機連合、ベア1万3000円以上を統一要求 24年春闘の方針決定

電機連合の中央委員会であいさつする神保中央執行委員長=25日、東京都千代田区

あいさつする神保中央執行委員長=25日、東京都千代田区あいさつする神保中央執行委員長=25日、東京都千代田区

 大手電機メーカーなどの労働組合で構成する電機連合は25日、東京都内で中央委員会を開き、2024年の春季労使交渉(春闘)の方針を決定した。基本給のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の統一要求額は、月7000円以上とした23年を大幅に上回る月1万3000円以上。現在の要求方式になった1998年以降で最も高い額となる。

 定期昇給分を合わせた要求額については月2万円以上となり、2年連続で大幅な賃上げを狙う。労働協約改定もさまざまな面から要求。誰もが活躍できる職場環境の実現に向けては、リスキリング(学び直し)を含めたキャリア形成支援の強化に加えて、家族に障がい児を持つ労働者への配慮などを求めた。

 神保政史・中央執行委員長は同日に開いた記者説明会で、物価上昇に賃金改善が追いつかず、実質賃金の前年割れが続いているという実態に言及。その上で、「積極的な人への投資により実質賃金の向上を図るとともに、経済の好循環への転換を着実なものにするというスローガンを掲げて、交渉に臨みたい」と力を込めた。

 神保委員長は中央委員会でのあいさつで、そうした基本方針を強調した上で、「昨年を上回る積極的な賃金水準引き上げに取り組みたい」と意欲を示した。さらに賃金水準引き上げの波及効果を最大化する目標も重視。労務費の適正な価格転嫁を進めるなど、賃金水準引き上げに向けた環境整備に取り組む方針も示した。