2024.02.06 【コネクター特集】製品別動向 車載用コネクター

車載用基板対基板フローティングコネクター

ADAS/自動運転の高度化で

高速伝送、小型化など要求

 コネクターメーカー各社は、自動車市場重視の姿勢を一段と強めている。各社は、「CASE」などのメガトレンドを背景とした自動車の技術進化に照準を合わせ、高速伝送・高周波対応や小型・軽量化、高耐熱、高信頼性、大電流対応などの新製品開発を強化している。

 ADAS/自動運転技術の高度化に必須の車載カメラは、車1台当たりの搭載数量増とともに、製品の高性能化が進展。最近の車載カメラは、従来標準の30万画素(VGA)から100万画素クラスへの移行が進みつつあり、高速デジタルセンシングカメラへの進化が進んでいる。

 同時に、車載カメラの取り付け場所の多様化に伴い、一段の小型・薄型化も要求されている。

 コネクター各社は、これらの技術トレンドに対応し、車載カメラモジュール接続用コネクターや、カメラECU用コネクターなどの技術開発を強化。高画質車載カメラで要求される3ギガbpsなどの高速伝送性能を実現しつつ小型・高性能で防水性にも優れた製品開発に力を注いでいる。

 自動運転車向けセンシングカメラは、将来は3メガピクセル、10ギガbpsなどへの進化が予想され、これらに対応する、POF(プラスチック光ファイバー)コネクターの開発も進められている。

 自動走行レベル3以上の自動運転車で必須とされるLiDAR(ライダー)についても、多数個使用のための小型化が要求され、対応コネクターの小型化も求められる。ミリ波レーダー用コネクターも、一層の小型化と防水性向上が追求されている。

 自動車の安全機能向上に向け、グローバル規格に対応したエアバッグ用コネクター開発などにも力が注がれている。

 電動車用では、車載インバーターやモーター、バッテリー周りに使用される大電流/高耐圧対応製品の開発が活発。定格電圧850V対応品などが開発されている。

 EV急速充電規格は、日本のCHAdeMO(チャデモ規格)のほか、欧州CCS、北米CCS、中国GB/T、テスラSCなど乱立しているが、最近は北米でテスラ北米充電規格NACS対応車種が増加するなど、さまざまな動きがみられている。

 EV充電用コネクターを手掛けるメーカーでは、グローバルでのマーケティングを強化し、全方位的な製品展開を重視している企業が多い。

 エンジンルームなどの耐熱性が要求されるアプリケーションでは、125度/150度対応などの高耐熱コネクターの開発が重視されている。

 EVメーカーは、差別化のため、1充電当たりの航続距離向上を追求している。このため、EVに搭載されるハーネスは、小型・軽量化要求が強く、従来のワイヤハーネスからアルミハーネスへの代替や、FPC/FFC配線への切り替えによる車体の軽量化提案などが活発となっている。