2020.04.10 【関東甲信越版】家電販社の4-6月取り組み
パナソニック 新体制でリフォームを強化 洗濯機などキャンペーン
パナソニックコンシューマーマーケティング(PCMC)LE首都圏社は、計画を上回る売上げで19年度が着地した。4Kテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の4大商品が年間を通して業績をけん引した。
19年度は消費税増税もあり、大型商品はその前後で駆け込み需要とその反動減の影響もあったが、販売金額でテレビは前年比104%、エアコンは同101%、冷蔵庫は同104%、洗濯機は同108%と好調に推移。半面、リフォームや補聴器は伸び悩み、課題を残す内容となった。
新井慎児企画部長は「4月からはリフォーム部隊と一体となる新体制となった。シナジーを発揮させていきたい」と話す。
PCMCでは、リフォーム事業を行うSE社が4月からLE社と一体となり新ディビジョン社を設立した。首都圏社としても、これまで以上にリフォームの取り組みを強化する考えで、リフォームに取り組む管内の重点店を選定した。
新井部長は「営業の質を高めて販売店の信頼を獲得し、リフォームに取り組む間口を広げたい」と意気込む。
1月末から4月末まで実施している2-4キャンペーンの最重要商品であるテレビドアホンは、3月末で計画の8割以上の受注を獲得している。4月末までには目標台数に達する見込みだ。
4-6月には毎年実施している洗濯機の「わっしょいキャンペーン」を柱に、エアコンや冷蔵庫、4Kテレビのキャンペーンを展開。6月末まではキャッシュレス・ポイント還元事業を追い風に販売を加速させていく。
ただ、当初計画していた春夏合展は、新型コロナウイルスの感染拡大によって3月以降、中止を余儀なくされた。夏商戦に向けて弾みをつける催事だが、6月中旬から2週にわたって実施する夏の一斉個展は開催予定。延期となった東京五輪も、引き続き販促に生かして増販につなげていく。
東芝 サンキューレターなど軸に顧客接点活動を継続
東芝コンシューママーケティング首都圏支社は、商品の購入後に送る「サンキューレター」やチラシのポスティングなどを軸に顧客との接点活動を続けていく。新型コロナウイルスの影響で訪問活動を自粛する地域店も出ており、直接訪問ではない形での対応を強化していく。
同社は5月から開催予定の夏合展の中止を決めている。そうした中、目玉商品やお薦め商品が見開きページで確認できるボリューム感のある冊子型ツールを作成。1ページに様々な商品が掲載された通常のチラシと異なり、一つの商品を掲載することで分かりやすい構成としている。
岩井洋一地域店推進部長は「お客さまへの提案力を高められる販促ツールを作製した。積極的に活用していただきたい」と話す。冊子は5万部展開する計画で、5月中旬ごろから配布していく。
保証期限切れレターの活用も進める。購入1年後など、定期的にはがきを送付するほか、5年の延長保証期限切れレターも増やしていきたい。また、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の大型4商品を軸に、過去の購入情報に基づいた買い替え提案もはがきで行う。
訪問活動の自粛を受け、地域店のホームページを活用して新型冷蔵庫の提案にも力を入れる。冷蔵庫のキャンペーン告知を地域店ホームページで行うとともに、各都県で立ち上げている事業協同組合本部のホームページも3月に開設。加盟店の立地などを地図上にプロットすることで、近くの店を簡単に探せるようにしている。
重点商品の取り組みとして、冷蔵庫は新商品「FZ/GZシリーズ」を対象に4-6月で250台の拡販に取り組む。エアコンも新商品「Rシリーズ」を同時期、1650台に取り組み、夏に向けて弾みをつけたい考えだ。
岩井部長は「サンキューレターを効果的に使う。買い替え需要の掘り起こしにつながるはずだ」と期待を寄せている。
三菱電機 キャッシュレス事業を徹底 ポスティングで訴求へ追加販促ツール用意
三菱電機住環境システムズ東京支社は、消費税増税や新型コロナウイルスの影響で後半やや苦戦したものの、空調関連や家電などを着実に販売することで、19年度年間の売上げは前年以上の伸長で着地した。
全体をけん引したのは冷蔵庫だ。同社は野菜室を真ん中に配置した「MXシリーズ」と、冷凍室を真ん中に配置した「WXシリーズ」で、顧客ニーズに応じた提案をこれまで進めてきた。市場では、野菜室を真ん中に配置した冷蔵庫の買い替え需要が起こり始めていることから、両シリーズの提案で着実に商機を捉えている。
また、容量300リットルクラスにもドアにガラス材を採用。高機能・省エネ商品をラインアップし、中型クラスでの提案にも継続して注力している。
液晶テレビでは4Kや録画内蔵機を軸にした提案を推進している。4Kチューナ内蔵タイプを業界でもいち早く発売した追い風に加えて、堅調な買い替え需要が後押しして2Kテレビの販売にも寄与、販売台数では前年以上となった。
「地デジで購入したお客さまのテレビ買い替え需要は確実に高まっている。提案を継続して販売を伸ばしたい」と同社。
6月末まではキャッシュレス・ポイント還元事業を販売に生かすことを徹底する。
同時に、新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、訪問型の地域店ビジネスにも配慮し、ポスティングで訴求できるような追加販促ツールを用意した。顧客との面談が難しくなる中、販売のきっかけづくりを支援する手立てを講じることで、地域店ビジネスの底上げを目指していく。
当初6月に開催を予定していた夏合展は、新型コロナの影響を鑑み、中止することとした。今後は夏に向けてエアコンや冷蔵庫、テレビなどで付加価値を追求したワンランク上の商品提案を行い、売上げ単価重視の活動に注力する。