2024.02.07 サンケン電気、業績予想取り下げ 中計再策定、復興プランも

 サンケン電気は7日に記者会見し、能登半島地震を踏まえ、2024年3月期通期業績予想を取り下げることや、24中計策定活動を停止することを発表した。震災リカバリープランの策定を進める方針だ。

 現時点で▽生産の全面再開時期および規模・生産再開後の品質確認にかかる時間▽出荷の見通し・生産人員の確保▽建物・設備などの被害による損失、といった項目が明確化できず、業績予想を合理的に算定することが困難と判断した。

 通期業績への影響の可能性として▽震災前に想定していた投資計画の変化や、復旧計画による費用増▽生産の全面再開時期および規模の変動による売り上げと利益の変化、を挙げる。

 また中計策定活動の停止は、震災復旧活動を優先するため。策定してきた24年中計各施策に対する震災の影響を考慮の上、再策定が必須と判断した。

 震災リカバリープランでは、石川サンケン再興に向けた恒久的な施策立案や、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化・BCP対策を盛り込む。

 震災による経営施策への影響として、当初想定した利益改善計画(新製品立ち上げ、石川サンケンの生産性改善、部品コスト低減)の見直しが必要と判断。次期中計では、利益改善を軸としたこうした当初計画に加え、震災による種々の変化点のリカバリー策が必要と判断した。中計再構築を進め、5月に新方針公表を目指す。

 (8日、電波新聞/電波新聞デジタルで掲載予定です)