2024.03.01 【防災・備災/減災特集】坂口電熱 非常用発電機の性能試験装置 レンタルで提供、DCなどで活用増える

高圧乾式負荷試験装置

 産業用ヒーターメーカーの坂口電熱は、非常用電源に用いる発電機の性能試験装置をレンタルで提供している。インフラ施設に設置された非常用電源の稼働確認を支え、防災・減災対策に貢献する。

 非常用発電機は、消防法に基づく定期点検が義務付けられている。ライフライン・インフラ施設に設置された非常用発電機の検査時、施設への電力供給を止めずに試験する際のダミー負荷となるのが同社の「高圧乾式負荷試験装置」だ。一時的に非常用発電機の系統を切り離し、装置と発電機をつなげて行う模擬負荷試験に使用する。

 同装置は、制御ユニット(制御盤)とヒーターの入った負荷ユニットで構成。点検で非常用発電機を稼働した際に生じた電気をヒーターが受け皿となる仕組みだ。発生した熱をファンで筐体(きょうたい)の外に排出する乾式タイプ。水冷の湿式タイプに対して水漏れによる感電や漏電のリスクがない。

 水処理施設やデータセンターなどで使用される発電機の大容量化には、装置の組み合わせにより対応が可能となる。制御盤は、タッチパネル式で使い勝手に配慮。デジタル制御により、負荷量・速度を柔軟に設定できるのが強みだ。

 レンタル期間は1~2日から数カ月まで、点検や性能試験の需要に合わせる。湿式より小型化できるため移動や設置が容易。筐体は全天候型で気密が確保され、天候にかかわらず試験できる。

 負荷試験装置のレンタル事業は、2015年に開始した。同社の製品・技術に対する市場からの信頼感に加え、同装置の利便性がユーザーに浸透し、引き合いや売り上げを順調に伸ばしてきた。水処理場や発電所の定期点検に加え、近年は竣工(しゅんこう)したデータセンターの発電機納入時で同装置活用が増えている。今後は、駅や空港といった交通系インフラに設置された発電機での活用提案を展望する。