2024.03.04 TDKが超音波アクチュエーター素子開発中 24年度中に特定顧客向けの量産化を計画

PUSシリーズ

 TDKは、超音波アクチュエーター素子(ピエゾ・ウルトラソニック・ステーター)「PUSシリーズ」の開発を進めている。2024年度中の特定顧客向けの量産化を計画しており、高い駆動性能、非磁性、省電力などを特徴に、AR/VR機器やロボティクス関連などの分野での需要開拓を目指す。

 同社は、PUS(ピエゾ・ウルトラソニック・ステーター)は低背小型モーターとして需要があると判断し、「PUSシリーズ」の開発に着手。21年以降、製品コンセプトの立案、試作を重ね、現在は特定顧客からの受注を受けてサンプル提供(カスタム対応)している。

 同社の「PUS0-0818-P04」の製品特性は、駆動周波数180キロヘルツ(Typ)。最大駆動電圧プラスマイナス10Vの低電圧駆動。リニアモーション(直線運動)、ロータリーモーション(回転運動)のどちらにも対応可能。リニアモーションの最大駆動速度250ミリメートル/秒、最大推力0.5N。サイズは8×2.2×1.9ミリメートル。消費電力0.7W。動作温度範囲プラス5度~プラス60度。

 非磁性のため、磁界を嫌う環境への導入が可能。複数個を同時使用しても、非磁性であるため、互いに影響を及ぼさない。静止保持時に電力を消費しないため、省電力化に貢献する。

 圧電式ウルトラソニックモーターは他社でもラインアップされているが、「当社が開発中のPUSは、駆動性能に関わる主要なパラメーターを高い水準でバランスしており、よりユーザーフレンドリーなアクチュエーションを提供できる」(同社)。ターゲット用途は、監視カメラ(ロール)、視野調整(フィッティング)、ロボティクス(モーションアシスト)、教育用ガジェットなど。カスタム品の量産を24年夏頃から秋田地区で立ち上げ予定。

(5日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)