2024.03.21 英政府、EV充電網拡大へ地域支援 自治体助成や新組織設置
ブラウン英技術・脱炭素相
英国政府が国内全土に公共充電インフラを拡充するため、地域の支援を強化している。すでに「地域EV充電インフラ(LEVI)基金」を設置して地方自治体の助成を初めているほか、閣僚と自動車関連サービス団体「AA」(旧組織名=オートモビル・アソシエーション)による協議機関を設けて、充電ポイントを生活場所の隅々まで普及させ、化石燃料依存からの脱却を図る。
英国政府は2022年3月、30年までに国内の公共用充電ポイント30万か所設置を目標にした計画を発表している。
この計画推進のために自治体向けに設けられたのが総額3億8100万ポンド(約650億円)のLEVI基金。地方自治体が充電ポイント設置に適した場所を選定したり、専門家のアドバイスを受けたり、機器選定などで補助を受けることができる。私道を持たない住民が設置する場合でも助成を受ける資格を与えている。
政府は産業界にも呼びかけ、AAと充電基地設置の障害をなくし、充電促進のための組織「EVインフラフォーラム」をこのほど設置した。
こうした一連の対策についてアンソニー・ブラウン技術・脱炭素相は「地方自治体への助成金は住民がガソリン車やディーゼル車への早期切り替えを促す施策の一環」と語り、公共充電網をより身近に感じて欲しいとしている。英国では23年末に全土で5万6983基の公共充電装置が設置され、前年同期比47%増となり、普及のペースは急ピッチ。
排出ゼロの推進では30年までに国内新車販売の80%、新車バンで70%をゼロエミッション、35年までに100%完全電動化(BEV)にすることが義務付けられている。(22日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報)