2024.04.17 コニカミノルタと富士フイルムBIが原材料・部材調達で合弁 事業基盤のさらなる強化へ
事務機業界の再編の動き加速
事務機業界の再編の動きが加速している。コニカミノルタと富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は15日、複合機・オフィス向けプリンター・プロダクションプリンター事業での業務提携に向けた協議を開始する基本合意書を締結した(電波デジタル既報)。今年7月には、リコーと東芝テックの開発・生産の統合会社が発足する。
事務機業界は、コロナ禍を契機に市場環境が激変している。テレワークの普及で、オフィスと在宅のハイブリッドな新しい働き方、紙の電子化などペーパーレス化の進展で、プリントボリュームの減少などの一方、ソフトサービスソリューションは、堅調に推移している。こうした中、生産分野の協業化が本格化している。
コニカミノルタと富士フイルムBIは、今後、商品の強固な供給体制の構築など、事業基盤のさらなる強化を図るために、業務提携に向けた協議を開始する。
トナーの開発、生産および原材料と部材調達の連携からスタートするが、両社協議の上、対象業務は拡張していく予定だ。
合弁会社設立の時期および保有する。
事務機業界では、複合機の生産・開発面を中心に協業化の動きが本格化している。
リコーと東芝テックは、複合機の開発・生産を統合し、新会社「エトリア」を資本金5億円で7月1日に発足する。出資比率は、リコー85%、東芝テック15%。共通エンジンを開発し、製造面での一段の競争力の向上を図る。
リコーは「デジタルサービスの会社」への転換を加速させ、25年度にはデジタルサービスで全社売り上げの60%超(22年度44%)を目指す。一方、東芝テックは、POSシステムでは国内約5割、世界でもシェアトップ。また、複合機も早くから取り組み、世界で約140万台が稼働しており、こうしたアセットを強みに、「グローバルトップのソリューションプロバイダー」を目指している。将来的には、開発・生産の統合にとどまらず、両社の強みを生かした高付加価値なソリューション、サービスの開発も行っていく。
コニカミノルタ、富士フイルムBIのコメントは次の通り。
互いの強み生かす
コニカミノルタ・大幸利充社長兼CEO 業界をリードする両社が共通の課題認識の下、業務提携により互いの強みを最大限生かすことで、投資効率やコスト競争力の向上、安定供給、環境対応、BCP(事業継続計画)対応力を強化し、グローバルメーカーとしての事業レジリエンス力を高める可能性を、共に追求していきたい。
新たな飛躍図る
富士フイルムBI・浜直樹社長兼CEO 今回の業務提携に向けた協議は、グローバル市場での競争力やプレゼンスを高め、新たな飛躍に向け重要なもの。両社のパートナーシップの下で新たな枠組みを構築しサプライチェーンを強靭化(きょうじんか)し、より強固な事業基盤を確立できると確信している。