2024.04.26 TDKの3月連結、営業利益が過去最高 売上高減少

 TDKの2024年3月期連結決算は、産業機器市場やICT市場、HDD市場の停滞により減収となったが、車載向け販売増や二次電池の収益性改善、為替影響などにより営業利益は増益を確保し、過去最高益を計上した。

 事業別業績は、受動部品事業は、xEVなどの自動車市場向け販売は増加したが、産業機器やITC市場向けが低迷し減収減益。センサ応用製品事業は、自動車向けは好調だったが、産業機器やICT市場向けが減少し、増収減益となった。

 磁気応用製品事業は、HDD市場の停滞により減収となり営業赤字を計上したが、3Q(23年10~12月)以降は底打ち傾向が見られた。エナジー応用製品事業は、材料費下落に伴う売価低下で減収となったが、合理化効果や為替効果で大幅増益となった。

 今期連結業績は、増収増益を計画する。今年度は、スマートフォン市場やHDD市場の回復は緩やかなものにとどまる見通しで、産機市場も弱含みが続くとみているが、xEV関連の増加などが業績をけん引する見通し。

 同社は今年度からスタートする新中期経営計画(3カ年)を策定した。長期ビジョンからのバックキャストにより策定したもので、「今中計は、長期の成長を見据えた基盤固め、足場固めに位置付ける」(齋藤昇社長)。中計での重点成長事業は、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの受動部品、TMRセンサーなどの各種センサー、小型二次電池、中型二次電池を掲げる。