2024.04.30 電通総研がUI・UXデザイン強化へ ミツエーリンクスを完全子会社化

電通総研と、子会社としてグループ参画したミツエーリンクスのロゴ

岩本 社長岩本 社長

 電通総研は26日、UI・UXデザインのミツエーリンクス(東京都新宿区)の株式を100%(議決権ベース)取得し、完全子会社化した。株式取得金額は、84億1900万円。同社が、UI・UXデザインを主力事業とする会社を完全子会社化するのは初めて。電通総研の業界・業務知見やテクノロジー実装力と、ミツエーリンクスのデザイン力、Webサイトの構築・運用力を掛け合わせ、長期経営ビジョン「Vision 2030」や事業コンセプトで掲げる「社会進化実装」の実現に向けた取り組みを加速させる。

 ミツエーリンクスは、顧客企業のマーケティングやブランディングをデジタルメディアで実現し、継続的に改善し続けるべく、コンテンツとUIの企画・設計・実装、Webサイトの構築・運用を中心に、さまざまなサービスを包括的に提供している。特に製造業や金融業など多岐にわたる業界で、年間100件以上のサイト構築実績を持つなど、国内屈指のコミュニケーション・デザイン・カンパニー。

新体制に移管

 電通総研は、今年の1月1日に電通国際情報サービスから社名を変更するとともに、新たなブランドロゴを制定した。同時に、コンサルティング事業を展開するグループ会社2社(ITID、ISIDビジネスコンサルティング)を統合、dentsu Japanからシンクタンク機能も新体制に移管した。システムインテグレーション、コンサルティング、シンクタンクの連携で、企業活動の根幹である「価値の創出」と「顧客体験の向上」の両面から最適なソリューションを提供し、「システムインテグレーターの枠組みを超えて社会の進化に貢献する」ことを目指す社会進化実装を事業コンセプトとして掲げている。

社会と企業の変革

 Vision 2030では「電通グループは、社会と企業の変革を実現する存在〝X Innovator(クロスイノベーター)〟を目指し、自己変革していく」とし、2030年には、グループ売上高3000億円規模を計画している。

 電通総研では、専門人材と知見・ノウハウを集約したUXデザインセンターを組織するなど「構想力・デザイン力」を強化してきた。

 今回、ミツエーリンクスを電通総研グループに迎えることで、電通総研の業界・業務知見やテクノロジー実装力と、ミツエーリンクスが培ってきたデザイン力やWebサイト・スマートフォンアプリなどの構築・運用力を掛け合わせ、企業における価値の創出と顧客体験の向上の両面に必要なケーパビリティーを強化。これにより、社会進化実装の実現に向けた取り組みを加速させる。

企業価値向上へ

 電通総研の岩本浩久社長の話 ミツエーリンクス社を電通総研グループに迎えられたことは大変光栄だ。電通総研へと社名を変更し、これまでのコア事業であるシステムインテグレーションにコンサルティングとシンクタンク機能を拡充し、さまざまな社会課題と真摯(しんし)に向き合い、その課題解決の一助を担える存在となることを目指している。当社グループとミツエーリンクス社の事業シナジーを最大限に発揮し、企業価値向上へとつなげられるよう努めていきたい。