2024.05.17 SMKと加スタートアップ企業、安心・安全な車室空間実現へ取り組み 子供置き去り・生体情報検知センサーを提供

ミリ波レーダーを利用したセンサー

検知センサーアプリケーションイメージ検知センサーアプリケーションイメージ

 SMKは、カナダのPontosense社と、安心・安全な車室空間の実現に向けた取り組みを開始した。同社はこれまで培った車載部品のノウハウを活かし、Pontosenseが開発するミリ波レーダーによる「子供置き去り検知センサー」、「生体情報検知センサー」を提供する。

 昨今、各国で車室内の安心・安全に対する取り組みが強まっている。特に子供の置き去り事故を防止するため、安全基準の厳格化が進められている。欧州では新車の安全性能を評価するプログラム「ユーロNCAP」に子供の置き去り検知機能「Child Presence Detection(CPD)」の評価項目が追加された。

 そうした中で、同社はオープンイノベーションの一環として、Pontosenseと2022年6月から「子供置き去り検知センサー」「生体情報検知センサー」における協業の検討を進めてきた。今後、両社は2026年に「子供置き去り検知センサー」、27年に「生体情報検知センサー」の量産化を目指し、車室空間の安心・安全向上に寄与していく。

 「子供置き去り検知センサー」は、ユーロNCAPにおけるCPD機能要件を満足する電波式乗員検知センサー。車室内の天井に設置されたセンサーにより、5秒以内に①乗員の有無②乗車人数③乗車位置④体格判別(大人/子供)を判定し、子供が車室内に置き去りにされた場合には車両に対してアラートやエアコンを起動させるための信号を出力する。

 乗員検知機能に加え、侵入検知モードも搭載している。

 「生体情報検知センサー」は、シート内に設置し、乗員のバイタルデータ(心拍、呼吸、心拍変動)を非接触で取得するセンサーで、車の振動や乗員の体動を除去するアルゴリズムにより走行環境でも使用可能。また、取得したバイタルデータから疲労度、眠気、車酔い等の健康状態を推定するアルゴリズムを開発中。

 Pontosenseは、カナダのトロント発のスタートアップ企業として21年に創業した。近年は車載分野に加え、高齢者見守り分野でも事業を展開している。(20日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)