2024.05.29 ノキア、米軍事市場への取り組み強化 通信機メーカー買収

ノキアが買収したフェニックスの「バンシー・ファミリ―製品」

NFSプレジデントのルーミス氏NFSプレジデントのルーミス氏

 フィンランドのノキアが米国の軍事市場を強化する。今年初めに政府需要に特化した事業部門「フェデラル・ソリューションズ」(NFS)を新設、マイク・ルーミス氏が部門トップに就任した。同氏の最初の任務は軍事用通信機メーカー「フェニックス(Fenix)グループ」の買収で、ノキアは22日当局の承認を得て買収が完了したと発表した。

 ノキアは欧州企業ながら、AT&Tの通信機事業やAT&T傘下のR&D機関ベル研究所を系列に収め、地道に米国で事業展開、米国での根強い活動が評価されている。

 一方、フェニックスも「Banshee(バンシー)」や「Talon(タロン)」といったシリーズの軍事用通信機を内外に供給することで、軍用機器メーカーとしての評価を高めてきた。

 特にバンシーは英国陸軍にも採用され、音声とデータトラフィックの伝送を可能にする戦場用無線通信装置として多く利用されている。

  NFSプレジデントのルーミス氏は「今回の買収承認は当社の米国戦略、つまり防衛事業の成長を狙うという当社の戦略に大きな一歩を踏み出した」と語り、「フェニックスの広帯域を利用した軍事通信技術は当社が提供する技術を補完するものだ」と買収の利点を強調した。(30日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)