2020.06.04 【パワーデバイス技術特集】名古屋工業大学がパワーデバイス材料SiCの表面への電流の流れ数値化に成功

[図1]高耐圧SiCパワーデバイス構造の一例(電流を運ぶ電子と正孔が表面に向かい、表面再結合という現象で電子と正孔が消滅し、本来パワーデバイスの外に流したい電流が失われる。表面再結合現象は避けられないが、それを数値化することで、パワーデバイス構造の設計を最適化できる)

概  要

 大電力の電圧変換に用いられるパワーデバイス(※1)として、シリコンカーバイド(SiC)(※2)という結晶材料の採用が期待されている。大きな電力を制御するパワーデバイスを作るには、SiC結晶に均一に電流を流す必要があるが、結晶には必ず表面が存在し、電流は勝手に表面へと流れてしまう。名古屋工業大学大学院工学研究科の加藤正史准教授の研究グループはこの表面への電流の流れを、様々な温度や表面の状態において、数値化...  (つづく)