2024.07.30 【家電流通総合特集】「家電製品アドバイザー」「スマートマスター」 家電製品協会認定センターが9月に試験実施

スマートフォンなどのタブレット端末から見やすいようにリニューアルした家電製品協会認定センターのHP

西崎センター長西崎センター長

公式HPリニューアル、テキストと問題集、電子版利用可能に

デジタル化で受験者数増加狙う

 家電製品協会(AEHA)認定センターは9月に、家電販売と接客に関わる「家電製品アドバイザー」と、スマートハウスに関する「スマートマスター」の二つの認定試験を実施する。

 5月21日に5年ぶりに公式ホームページ(HP)をリニューアル。各試験の公式テキストと問題集も順次更新し、電子版が利用できるようになった。デジタル化で受験しやすい環境を整えることで受験者数の増加につなげたい考えだ。

 家電製品アドバイザーの資格区分は「AV情報家電」と「生活家電」に分かれており、両方の資格を取得すると「総合アドバイザー」の認証を得られる。

 「家電製品エンジニア」は、機器の設定だけでなく、設置工事や修理技術に関わる認証だ。家電製品エンジニアも家電製品アドバイザーと同様に、AV情報家電と生活家電の両方の資格を取ると「総合エンジニア」の認証を得られる。エンジニアの次回試験は2025年3月に行われる。

 リニューアルしたHPは、スマートフォンなどの端末から閲覧した際に、各資格の内容や申し込みなど、目的別に見たいページへ移行しやすくなった。HPを作った19年ごろはパソコンからの申し込みが多かったが、利用者のニーズに応えて刷新した。受験申請締め切りまでのカウントダウンが表示されるほか、動画投稿サイトにアップした申請手続きの解説動画を閲覧できる工夫も凝らした。

 HPだけでなく、毎年新たに出す学習教材も、5月に発売したスマートマスターの2024年版から出版社をオーム社に変え、電子版も利用できるようになった。11月末に発売予定のアドバイザーとエンジニアの学習教材も、電子版を利用できるようにする。

 紙の学習教材はテキストと問題集が合体しているが、電子版ではテキストと問題集を分けた。西崎義信センター長は「電子版の購入検討者は6割で、問題集だけの購入者もいた」と、アンケートによる受験者の意見を反映した。紙の学習教材を持ち歩くのは面倒だが「電子版だと電車内でも片手で勉強できる」(西崎センター長)。

 認定センターは、20年9月の認定試験からCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式の試験を導入したことが、デジタル改革の第一歩だ。

 家電量販店などでは認定資格の取得が昇進条件にもなっており、資格取得率が上昇している。

 西崎センター長は「今、転換期に来ている」とし、認定資格受験者が一巡して新規の取得者数が安定している中、デジタル化を進め、受験を後押しする環境を整えている。