2020.06.09 【ITサポートサービス特集】NECフィールディングマルチメンテナンスをもう一段加速

三上 常務

 NECフィールディングは、全国約370カ所、約3500人のエンジニアによるサポート体制を軸にメーカーや機器を問わずに対応するマルチメンテナンスをもう一段加速させる。

 この5年間進めてきた社内のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)も一定の成果になっていることから、整えた社内のデジタル基盤を活用し付加価値の高いサポートサービスを進めていく。

 数年来整備してきたデジタル基盤により、エンジニアの支援と顧客サポートの両面で業務改善とサポート品質を高めてきた同社。AI(人工知能)の活用をはじめスマートグラスの活用なども進めてきている。

 三上理・執行役員常務は「お客さまの現場と当社バックヤードとをつないだ基盤を軸に、次のステージに行きたい」と話す。

 マルチメンテナンスの実績も着実に積み上がっており、NEC以外の機器の保守なども伸びている。非IT領域の保守も増え、コンビニエンスストアなど店舗の設備機器の保守案件なども獲得しつつある。「今後は冷凍冷蔵機器などフロン関連機器の対応もしていく」(三上常務)。

 19年から始めたカシオ計算機の電子レジスタや楽器などの保守も順調だ。「丸ごと保守を委託したいという要望が増え、段階的に請け負うケースも出ている」という。

 新規で取り組んできた医療機器の保守も順調だ。全国13拠点でサポートできる体制を整え、医療機器保守認可の第1-8区分まで全て取得した拠点もある。既に18社と契約しており、今後さらに拡大させる構え。「CTなど放射線機器関連の資格も取得していく」(三上常務)計画。

 今年度はITやIoTを活用した保守サポートやソリューション展開にも注力する。三上常務は「これからは予兆監視による予防保守も重要」と話す。

 既に監視カメラと画像認識などを活用した監視と管理の仕組みをパーツセンターの川崎テックに導入。

 1000台のカメラを設置し倉庫の監視や入退室管理、不審者検知、作業監視などに取り組み始めた。今後はAIで映像を学習させ生産性と品質向上を目指す。「現場を持つ強みを生かしたい」という。

 全国に約1600台配布したスマートグラスの活用も進む。バックヤードで現場エンジニアを支援する「スマートグラスサポートセンター」は、24時間365日体制で対応する。

 今年はエンジニアらの作業支援だけでなく健康管理などに取り組み始めた。バイタルセンシングデバイス2000台、アルコールチェッカ2300台を配布済み。バイタルデータの収集も始め、健康や緊張度なども見た支援をしていく。

 ソリューション関連では働き方改革支援やGIGAスクール構想の実現に向けた学校のIT化を進めていく。新型コロナウイルスとともに生きるニューノーマル時代に向けテレワークの支援やPC導入、空気清浄機の展開など、機器の設置から保守まで総合的に支援する考えだ。

 三上常務は「あらゆる機器にITやネットワークが関連するためITや設備を含めた提案をしていく」と話している。