2025.01.01 【家電総合特集】AV/ホームソリューション25年各社の戦略 東芝ライフスタイル 白戸健嗣社長
白戸 社長
マイディアとの連携強化
多様なニーズに合う製品投入
2024年はエアコン、冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ、炊飯器、掃除機の主力6製品の展開を強化してきた。製品の持つ価値をお客さまに伝え、価値に見合った価格で販売していくことに注力し、後半からは東芝の白物家電ブランドの浸透を目指しアンバサダーに俳優の反町隆史さんを起用したCMもスタートした。
新たなブランド施策により、白物家電と東芝が結び付くようにしていきたい。
国内家電市場は、消費は回復傾向で市場全体に底堅さはあるもののニーズの多様化がはっきりした1年だった。
当社は早い時期からの猛暑でエアコンが堅調だったほか、冷蔵庫、洗濯機の大物家電は市場を上回る成長ができた上、炊飯器も堅調に伸ばした。半面、クリーナー、レンジは苦戦した。
製品別ではこれまでシェアを落としていたエアコンは上位機から標準機まで製品群を増やし空気清浄機能などを訴求した。16年ぶりに省エネ大賞も受賞できた。
冷蔵庫は野菜の鮮度にこだわり独自の「野菜室まんなか」と使い勝手の良さを提案。洗濯機は汚れ落ちの良い「ウルトラファインバブル」や乾燥機能を前面に出した。オーブンレンジは業界最高の350度の「石窯ドーム」の評判も良いし、炊飯器は独自の真空技術でおいしい炊き上がりを実現できる。掃除機もダストステーション付きのコードレスクリーナーを発売できた。
足元は全体では前年を上回ることができたが、接客時に機能や価値を説明して購入に結び付くケースも多く、改めて東芝ブランドの白物家電の浸透が課題になったと感じている。
そこでブランド浸透を目指し取り組んだのが新CMだ。暮らしを豊かにする東芝の生活家電の魅力を伝えられるようにした。評判もよく、現在は中国をはじめアジアでもCM展開を始めている。
昨年はアフターサービスも強化した。コールセンターの体制強化と修理対応するエンジニアを拡充し、繁忙期でも平均1週間以内で対応できるようにした。一度の修理で全てを完結できるよう、引き続きサービス体制と品質を強化していく。
25年は中国マイディアグループ(美的集団)との連携をさらに強化する。マイディアの幅広い製品力と調達力に、当社が培ってきた開発技術力を組み合わせる取り組みも進めている。
製品の共通プラットフォーム化を図り、日本市場で求められる価値を組み入れた製品開発を強化する。
当社の知見をマイディアの工場に適用し品質も高まってきている。昨年は新たに冷凍庫を投入したが、グローバルプラットフォームで開発した。
今年は多様なニーズに合った製品を出せるようにする。高性能モデルだけでなく、機能を絞り使いやすさを追求した製品も検討中だ。
東芝のデザインのアイデンティティーも築けてきている。昨年はグッドデザイン賞を7件受賞できた。海外も含めデザインを重視した開発をさらに進めていきたい。
家電のIoT対応もマイディアと連携し取り組んでいく。
インターネットにつながることで予防保守などにつなげることもできるため、使う人によりメリットのあるサービスの開発につなげたい。