2025.01.01 【家電総合特集】暮らし&ホームソリューション’25展望 電子レンジ

時短かつ、おいしい調理から本格調理まで、多様な内食ニーズに応える機能が進化するオーブンレンジ

オーブンレンジで時短調理

簡単においしい料理が作れる

 電子レンジは、内食化が進み、家庭で調理する機会が増えていることから、簡単においしく、また本格的な手作り料理を楽しみたいというニーズに応えて、調理機能が進化している。

 電子レンジ全体の需要に大きな伸びはないが、幅広い調理機能が充実したオーブンレンジへの関心は高く、高級モデルの販売は堅調に推移している。

 2020年からのコロナ禍を経てライフスタイルが多様化し、近年は家庭で調理する機会が増加。このため、家事負担の軽減に対するニーズも強まっている。

 電子レンジ、とりわけオーブンレンジでは、おいしい仕上がりを実現する本格調理機能の追求と同時に、時短でおいしく調理できる機能の開発が活発になっている。

 近年では、ハイスペックなオーブンレンジを中心にIoT化も進展。インターネットにつなげて、自動メニューのダウンロードができるなど、購入した後からでも機能を追加できるように進化し、使い勝手がますます高まった。

 潜在的な需要を掘り起こすのに最適な機能・特長が充実しており、買い替え需要を喚起する取り組みが加速している。

 最近では、コロナ禍で実施できていなかった、試食を通した体感提案に取り組む動きも盛んになってきた。期間限定で自前の食堂をオープンする試みもあり、実食を通した販促施策は今後も活発に展開されそうだ。

 電子レンジ(単機能レンジ/オーブンレンジ)の市場は、24年度に入り、巣ごもり需要の反動減を脱して復調傾向にある。

 日本電機工業会(JEMA)のまとめによると、23年度の出荷台数は前年度比89.7%の316万台と2年連続のマイナスだったが、24年度に入り出荷台数は増加に転じた。上期(4~9月)は、台数ベースで前年同期比106.1%、金額ベースで同108.5%と健闘している。

 幅広い調理機能を持つオーブンレンジは昨年度、レンジ全体の66%を占め、主役となっている。容量別で見ると、庫内26リットルサイズ(24~27リットル)と30リットル以上を合わせて5割以上、金額ベースでは7割を占めている(象印マホービン調べ)。

 単機能レンジは春先に需要が高まる。シンプルな温め直しに使われるタイプだが、価格も安く、安定した需要がある。

 オーブンレンジでは、家事省力化やおいしさ志向に応える機能が充実。センサーと連動したきめ細かな加熱制御により、おいしく、時短調理・自動調理が可能だ。

 IoT機能を活用することで、自動メニューのダウンロードやレシピ提案など、誰でも簡単に、失敗なく幅広い料理を作れるようになっている。

 食材の量や温度に合わせて最適に加熱制御する同時加熱機能や、食材・調味料を用意すればボタン一つで自動調理が可能になるなど、時短・省手間に貢献する機能が特に進化している。