2025.01.03 【家電流通総合特集】我が社・団体の戦略 アトムチェーン本部 井坂博史社長
井坂 社長
新FC店で自然体営業
顧客とのつながりを作る
昨年の4月から店のブランディング向上を目指す組織・新FC店体制がスタートした。質を維持しつつ参加店を増やしていきたい。
新FC店のコンセプトは「くらし・でんきのコンビニ」。加盟店870店のうち21店が参加している。店のブランド力を高め、顧客とのつながりを作り、自然と商品が売れるようにする「自然体営業」を基軸に活動している。
参加店は、月に1度、ブランディング研修を受けている。南九州デジタルの櫻木隆志取締役やチェーン本部の担当者が講師を務めている。
店の特徴を発信するニュースレターや購入後のお礼を伝えるはがきを継続することで顧客との関係ができ、安定した経営につながる。既に取り組んでいる参加店も多く、商売も安定している。
2月の社長会では、参加店の事例紹介を含め、一年間の活動報告を行う予定だ。取り組みを見て、ほかの加盟店も刺激を受け、一緒にやりたいと感じてもらえればと思う。
参加店の2次募集も考えている。新規に参加した店には、これまでの講座のダイジェスト版動画を事前に見てもらうなどして知識の差を埋められるようにする。
その後は、既に活動をしている21店とともに研修に参加してもらう。
7日には大阪で全ての加盟店を対象とした自然体経営に関する勉強会を実施する。合わせて販促勉強会も行う。8日には東京でも行う予定だ。
会場に来て参加してもらうことで、加盟店同士の横のつながりを作ってほしい。
全ての加盟店のスタッフが参加できる商品と技術の研修は、継続して実施している。
毎月開催している商品研修は、今年からオンラインでも開催し、どこからでも参加できるようにする。
技術研修は引き続き対面で実施。参加者には満足していただいており、開催には一定の意義があると考えている。
チェーン全体の昨年4月以降の実績は前年比105%で推移している。特にエアコンや冷蔵庫、防犯関連商品、住設関連が好調だ。
エアコンは、電気代が高騰していることから中級クラス以上の成約が多く、金額ベースで同120%で推移。
冷蔵庫は、省エネ性能を訴求することで、大型の購入につながった。
防犯カメラやカメラ付きドアホンは、関東地方の強盗事件の報道を受け、問い合わせが増加している。
エコキュートやリフォームなどの住設関連は、国の補助金「住宅省エネキャンペーン」が後押しとなった。
エコキュートは買い替え需要もあって、同150%と好調だ。
来年も補助金が継続することが決まった。加盟店には、エコキュートを中心に補助金を活用した販売に取り組んでいただきたい。
11月の一斉個展は、初の試みとして川柳を募集。600件ほどの応募があった。こういった企画は、ニュースレターのネタにもなる。顧客とのコミュニケーションのきっかけになったのではないか。
今後も、顧客とのつながりが生まれるような新規の企画を実施していきたい。