2020.07.01 【ケーブル技術ショー特集】住友電気工業4K・8K対応HE装置など豊富な品揃えを紹介

高度ケーブル自主放送ヘッドエンド装置「FLEXCITERシリーズ」

10G-EPON OLT「FSU7100シリーズ」小型4U筐体「FSU7102」10G-EPON OLT「FSU7100シリーズ」小型4U筐体「FSU7102」

 住友電気工業は、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材など、幅広く事業展開している。ケーブルテレビ(CATV)分野では、最先端の「つなぐ、つたえる技術」を用いた局内装置、光伝送装置、宅内端末等、幅広い製品・システムを提供し、事業者とともに高度情報通信社会の実現に貢献している。

 今回のオンライン展示会では、4K・8Kに対応したヘッドエンド(HE)装置の豊富なラインアップを紹介するとともに、BS4K対応STB、10G-EPONセンター装置や最新の宅内端末など、トータルに関連機器を紹介する。

 HE装置「FLEXCITERシリーズ」は、高密度実装や省スペース・省電力化等が評価され、90局以上の事業者に採用。高さ3Uサブシャーシ筐体に最大12台のユニットを実装できる。ユニット故障時も瞬時に予備機へ切り替えられ、サービスへの影響を最小限に抑えることができる。また、BS(2K)更改需要にも共通シャーシで対応できるため、全てのBS再放送サービスを3U筐体に収容することが可能だ。同シリーズのラインアップも充実。新4K8K衛星放送信号をQAMに変換する「高度BSデジタルトランスモジュレータ」、BS/CS-IF信号を復調・再変調する「高度BS放送対応シグナルプロセッサ」、プラットフォーム事業者からACASスクランブルされたIP信号をQAMに変換する「高度ケーブル自主放送対応ヘッドエンド」、地上デジタル信号の不要波除去やAGC増幅による安定出力を実現する「地上デジタルシグナルプロセッサ」、従来のHD/SD方式の多チャンネル放送の送出に対応した「ストリームRemuxCA装置及びQAM周波数変換装置」などを揃えている。

 STBは、アンドロイドTVを搭載した2機種を紹介する。KDDI向けSTB「ケーブルプラスSTB-2」、J:COM TV向けSTB「XA401」だ。両機種にはBS4Kトリプルチューナを搭載しており、4K番組を同時に1視聴2録画まで可能。放送番組、録画・動画コンテンツの音声検索や、早送り・早戻し等の音声操作が好評で、高いシェアを獲得している。さらに、IP再放送運用規定に準拠した8K-STBの試作機を紹介する。

 光同軸伝送路(HFC)方式から光回線(FTTH)方式への設備更改需要が増加している中、FTTH製品として、同社の主力製品である10G-EPON OLT「FSU7100シリーズ」や10G-ONUを紹介する。10G-EPON OLT「FSU7100」シリーズは、10G-ONUと1G-ONUの混在運用が可能なため、1Gbpsから10Gbpsサービスの提供にスムーズにマイグレーションしたいというCATV事業者の要望に応えられる。

 10G-PON OLT「FSU7101」は、10U筐体に最大で16384台のONUを収容できる製品で、冗長構成が可能なL2/L3スイッチも内蔵。最大で6144台のONUを収容できる小型の4U筐体「FSU7102」もラインアップしており、加入者数やヘッドエンドスペースなどの状況に応じて選択することができる。日本ケーブルラボ(JLabs)のEPON相互接続運用仕様(SPEC-027 1.2版)に準拠しており、他社端末と相互接続できる点も好評だ。

 10G-ONUは、無線LAN規格IEEE802.11ac(4×4 1,733Mbps)に対応した「BFW7701」を紹介。マルチユーザーMIMOに対応しており、快適な無線LAN環境を構築できる。さらに、ONU配下に接続されるプライマリ電話対応 HGW「SVE3710」も紹介する。

 住友電工子会社のブロードネットマックスからは、システムの安定運用や業務の効率化をサポートする様々な運用支援サービスを紹介する。近年では、センター装置の株分け作業、機器構成の変更や加入者増加に伴うIPアドレス等の追加設定等、運用環境の更新・拡張を支援するサービスが好評だ。また、機器の内部情報を読み出してより的確なアドバイスを行う「リモート保守サービス」、設備の定期点検や障害発生時に現地で復旧支援を行う「オンサイトサポート」等、ケーブルテレビ事業者が安心してシステムの運用を継続できるようなサポートメニューをラインアップしている。