2025.01.09 【電子部品総合特集】電子部品メーカー 自社業務へAI活用を推進 生産性向上や開発効率化など追求

 電子部品メーカー各社の、自社業務へのAI(人工知能)活用の動きが進んでいる。各社は、量産工程や設計・開発部門、営業・マーケティング業務などでAIを積極活用することで、生産性向上や開発の効率化、業務のスピードアップなどを追求し、競争力の強化を目指している。

 電子部品メーカーの自社業務へのAI活用で特に増加しているのが、自社の量産工場へのAI外観検査システムの導入。最近の電子部品業界では、自動化・省人化のため、従来は人が目視で行っていた外観検査工程をマシンによって自動化する動きが活発化しているが、ここにAIによる画像解析を入れ込むことで、製品の細かな傷や異物の混入の有無に関する、より高精度な判定を行い、検査品質の向上につなげている。

 最近は設計開発部門でのAI利用も広がっている。一例としては、電子部品設計で使用する自社のシミュレーションソフトウエアにAI機能を入れ込むことで、カット&トライを削減し、開発リードタイム(L/T)短縮と設計最適化を図るための取り組みが進められている。モジュールに内蔵される内製ソフトウエア開発でのAI活用なども広がっている。

 これらの、設計開発業務におけるAI活用拡大を通じて、開発期間の短縮や開発コストの低減、さらには、研究開発業務の属人化解消などが追求されている。

 AI技術を積極的に活用した材料特性評価技術の開発や、その品質判定への適用なども設計開発部門と製造現場との連携により、推し進められている。