2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 東京エレクトロンデバイス 徳重敦之社長・CEO
徳重 社長
CN事業が好調、PB事業も期待
東京エレクトロンデバイスは、EC(半導体・電子デバイス)、CN(コンピューターシステム)、PB(プライベートブランド、設計・量産受託サービス)を主力に事業を展開している。
徳重敦之社長・CEOは、2024年度上半期について「CN事業が好調に推移した一方、中国市場停滞の長期化などの影響により、主に産業機器向け半導体製品の販売が減少した」と振り返る。
サプライチェーンにおける在庫調整の長期化は、顧客との情報交換を緊密に行い、歩調を合わせ在庫解消に対処する。半導体市場の回復期は読みづらいが、「25年度上半期から徐々に良い方向に向かうのでは」と予測する。
「利益成長の加速」と位置付けた新中期経営計画「VISION2030」(26年3月期~30年3月期)では、ビジョンを「メーカーと技術商社の力で潜在的な社会課題を解決する会社」とし、メーカー機能およびサービスビジネスを強化していく。
CN事業は、ストレージやセキュリティーの関連製品が好調に推移。製品の販売に伴い、保守・監視など自社サービスも伸びている。
セキュリティー、ネットワーク、ストレージ、クラウド、AI(人工知能)の五つの分野にフォーカスしながら顧客に最適なソリューションを提供していく。
PB事業は、CN事業とともに収益性向上の軸として期待する。設計・量産受託サービスが堅調で、ウエハー検査装置は納入が本格化している。今後も計測・検査装置技術の研究開発、モノづくりインフラの強化を図っていく。
EC事業では、クアルコムと代理店契約を締結。データ処理能力向上と通信コスト削減が期待できるエッジAI向け製品の取り扱いを強化した。
24年10月に本社を東京都渋谷区に移転した。移転により横浜本社と新宿オフィスが統合。3事業のシナジー発揮に期待を寄せている。
徳重社長・CEOは「変化が常態化する中、われわれはその変化に対応しながら、失敗を恐れずに挑戦し続け、持続的な利益成長によるさらなる企業価値向上を図っていく」と抱負を述べた。