2025.02.06 KDDI Pontaパスのポップアップストア AI技術も活用

Pocket RDのメタバース用アバターやNFT(非代替性トークン)の技術を取り入れたフォトブース

川本氏(左)と新井部長川本氏(左)と新井部長

食品大手の明治とコラボレーションし、オリジナルスリーブを作れる食品大手の明治とコラボレーションし、オリジナルスリーブを作れる

 KDDIは6日、スマートフォン向け総合サービス「Pontaパス」を体験できる特設ポップアップストアを、東京都渋谷区のZeroBase渋谷に開設した。渋谷センター商店街振興組合などが協力。ブース内では抽選マシンやカフェなどさまざまなイベントが用意され、楽しみながらPontaパスの仕組みやAI(人工知能)技術に触れることができる。会期は9日まで。

 昨年10月にも同会場で実施し今回は第2弾。区内で活動する学生団体も一部企画に参画し、渋谷区を盛り上げるとともに若年層のPontaパス会員の獲得にもつなげたい考えだ。

 会場の「PontaパスStation」では、Pontaパスを持っていない人でもサービス利用を体験できる。今回は「あげすぎ」をテーマにクーポンやAI技術を使った新体験を提供する。

 動画に自分の顔を入れ込めるAIフォトブースを設置。来場者には、ローソンの「MACHI cafe」のホットカフェラテのMサイズをプレゼントする。

 室内の巨大抽選マシンで渋谷区内の13店で使えるクーポンがもらえる。食品大手の明治とコラボレーションし、「明治ミルクチョコレート」のスリーブに好きなメッセージを入れてその場で印刷し、オリジナルのチョコレートスリーブを作れる。ポップアップストアのスペシャルアンバサダー「KAWAII LAB.」による1日カフェ店長などのイベントも実施する。

 Pontaパスは昨年10月に「auスマートパスプレミアム」がリニューアルしたスマホ向けサービス。月額税込548円で、 KDDI傘下のローソンのクーポン特典や、決済時の還元率アップなどのサービスが受けられる。会員数は約1500万人。

 Pontaパスについて、KDDIのパーソナル事業本部サービス・商品本部サービス推進部の新井宏史部長は「単にお得なだけではない。日常生活の中で一歩踏み出すことをコンセプトにしている」とする。

 auユーザーでなくても加入できるPontaパスはより多くの顧客との接点となる存在で、“ポンタ経済圏”の拡大を目指す。Pontaパスのメインユーザーは40代で、ローソンのクーポン券などをきっかけに若年層のユーザーの獲得を狙う。

◇技術と体験

 ポップアップのブースには、KDDIのAIを全面的に導入していく方針も盛り込まれている。

 ポップアップ会場にあるAIフォトブース「運勢アゲすぎ! 好きフォトみくじ」は、サイネージの前に立って顔を撮影すると、映像の中に自分の顔が入れ込み、メッセージが表示される。

 このブースは、KDDIが、ベンチャー企業との新たな事業共創を目指すオープンイノベーションファンドを通じて出資しているPocket RDのメタバース用アバターやNFT(非代替性トークン)の技術を企画に生かした。

 KDDIの事業創造本部Web3推進部エキスパートの川本大功氏は「表向きは楽しい体験で、実は裏側では技術が使われているという見せ方になるよう気を付けている」と、技術面よりも体験の楽しさを全面的に伝える展示にすることで、PontaパスがKDDIの技術とユーザーの架け橋のようになることも意識している。