2025.04.17 TDKがスピンフォトディテクタを世界初実証 次世代AI向けにデータ通信速度10倍に

 TDKは、波長800ナノメートルの光を20ピコ秒(ピコ=1兆分の1)という超高速で検知できる素子「Spin Photo Detector(スピンフォトディテクタ)」を開発し、日本大学と共同で世界で初めて原理実証に成功した。

 素子の反応速度は、従来の半導体を用いた光検知素子の10倍超。さらなるAI(人工知能)の進化に向けて注目度が増す光電融合技術への応用が可能だ。

 15日に東京都内で行われた記者会見で、技術・知財本部応用製品開発センターの榎戸靖ゼネラルマネージャーは「スピントロニクス技術を進化させることで、既存のフォトダイオードとは全く異なる動作原理を持つ光電変換デバイスであるスピンフォトディテクタを開発した。世界のトランスフォーメーションに寄与する重要なデバイスと考えている」と述べた。

 福澤英明次世代電子部品開発部室長は「生成AIの性能向上に向け、光電融合がメガトレンドとなっているが、当社は独自のアプローチとして、光・電気・磁気の全てを融合した光電磁融合デバイスでの参入を目指す」と説明する。

  (つづく)