2025.04.24 【 電波新聞社 全国地域店アンケート】SNS・Webの活用状況   

8割がSNS、Webを活用

 電波新聞社は、全国の地域電器店を対象にWeb・SNSに関するアンケートを行い、最近のSNSなどの利活用の状況を探った。アンケートは4月7~22日で実施し33店から有効回答を得た。それによると8割以上がSNSなどを活用したPRに取り組んでいることが明らかになった。ただ更新頻度が不定期や更新できていない店がある一方、コミュニケーションや店の情報を届けるため定期的にSNSを使用する店が多いことも分かった。

「HPとLINEを使用」最多

 アンケートでは、まず現在WebやSNSを活用しているか(Q1)を聞いたところ、82%が「はい」と回答した。活用している店に、どのアプリケーションやSNSを使用しているのかを聞いたところ(Q2)、「ホームページ(HP)」と「LINE」の活用が22店と最も多く、次いで「インスタグラム」と「フェイスブック」が7店となった。普及率が高いLINEと電器店を検索するときに出てきやすいHPを使用している地域店が多いことが分かった。「YouTube」や「ブログ」を活用する店も4店あった。

 使い始めたきっかけについて(Q3)では、「お客との接点をつくるため」が17店、「販売会社のフォーマットを使用」が10店となった。多くの店がお客とのコミュニケーションや相談事のために使用しており、販売会社のツールを使う店も多いようだ。実際、販売会社もSNSの使用者が年々増えていることを受け、店舗情報を入力すればすぐ使用できるようにフォーマットを提供している。

 お客への情報発信がこれまで以上に重要になる中、店で何ができるのかを知ってもらうことも重視していることがうかがえる。あわせて求人情報などのサイトでも掲載していた。

 WebやSNSの担当者について(Q4)は、「従業員」や「代表者」と回答した店が大半で、店の関係者が多数を占めた。「業者」や「従業員以外の家族」は少なかった。

 店舗で行っている佐賀県の地域店は「1台しかないため、他の従業員は使用できない」と回答。SNS担当の従業員がいる店もあれば、人数や時間が足りず、手が空いている人が更新する店もあった。

 WebやSNSの運用について(Q5)は、「不定期更新」が多く、「週1回」「月2回」が多数を占めた。中には「制作してから一度も触っていない。運営する時間がない」(東京都の地域店)と回答した店も。担当者が決まっている地域店は、定期的な更新をしているところが多かった。

SNS、Webの効果実感 59%

 WebやSNSに期待していること(Q6)について聞くと「認知度アップ」と回答した店が16店と最も多く、「顧客とのつながりを生み出すため」(15店)、「新規客獲得」(14店)と続いた。新しいお客獲得のために積極的に活用する動きも見られた。

 WebやSNSの効果(Q7)は、「はい」と回答した店は59%あり、半数以上が効果を感じていることが分かった。効果を感じている店で一番多かった理由が「顧客とのつながり」(10店)だった。次いで「PRにつながった」(9店)、「新規客増加」(8店)、「若い世代にアプローチできた」「業務効率が改善した」(各7店)となった。LINEを使用している神奈川県の地域店は「お客さまとのやりとりがリアルタイムでできるため、つながりを強く感じる」と回答した。

 一方、SNSやWebを活用していない店は、使わない理由について「知識がない」「必要性を感じない」(各2店)と答えた。佐賀県の地域店は「メーカーのチラシと自店のチラシを配っている」と回答し、SNSなどを活用せずとも商売につなげられているところもあった。

 WebやSNSの活用の支援や学ぶ機会があれば活用したいか(Q10)との問いに対しては、6割以上の店が「いいえ」と回答した。「高齢のお客が中心のため、SNSを使用していない人が多い」(東京都の電器店)という意見もあった。

 これまでSNSを使っていたがやめた店もある。使用をやめたWebやSNS(Q11)では、もっとも多かったのが「ブログ」(6店)だった。次いで「フェイスブック」(3店)となった。XやYouTubeのニーズが増え、ブログなどの閲覧頻度が下がっていることを感じている店も多かった。

 これから使ってみたいWebやSNSについて(Q12)は、「インスタグラム」「YouTube」「TikTok」(各5店)だった。若い世代や使用者が多いとされるSNSの活用を検討する店が多くみられ、地域店の強みを生かした取り組みをより多くの目に触れるよう考えている店が多いことも分かった。次いで多かったのは「LINE」(4店)、「フェイスブック」や「HP」(各3店)。フェイスブックは使用をやめた店がある半面で新たに取り組みたいと思う店もあり回答が割れた。

 WebやSNSなどの使用開始時期について(Q13)は、HPやブログなどは10年以上前から使用している店が多かった。LINEは5年前から活用し始めているところが目立った。一方、SNSを活用していない店はチラシを使用していた。茨城県の地域店は「HPなど20年以上前から使用しているが、ニュースレターのほうが効果は大きい」と回答した。