2025.04.25 電子部品・材料メーカー各社、光電融合技術を強化 生成AI市場の成長に貢献
TDKが開発したスピンフォトディテクタ(8インチウエハーサンプル)
電子部品・材料メーカーは、研究開発における重点分野の一つに「光電融合技術」を掲げ、次世代の高速・大容量通信に対応する光電融合関連製品の技術開発を強化している。データセンター(DC)の高性能化や消費電力低減に寄与する光電融合への技術提案により、生成AI(人工知能)市場のさらなる成長に貢献していく。
5Gや生成AIの普及拡大などで、全世界のDC消費電力は2030年には18年比15倍に増加し、世界の総発電量に占めるDCによるエネルギー消費の割合が30%まで上昇すると予想されている。
光電融合技術は、コンピューター内の回路同士の処理において、「電気」と「光」を融合させることで省電力・低遅延を実現する技術。DC内では、CPUとメモリー間の通信に現在は銅配線を使用しているが、抵抗による遅延やエネルギーロス、発熱などの課題がある。これを光信号処理に置き換えることで、遅延や消費電力の低減が可能となるため、光電融合の重要性が増している。
電子部品・材料各社は、これらに対応した技術開発を進め、大容量高速通信を低コストで実現する技術の確立や、DCの省エネ化への貢献を図る。
世界で初めて原理実証に成功
TDKは今月、次世代AI向けに、データ通信速度を10倍にする超小型光電融合素子「Spin Photo Detector(スピンフォトディテクタ)」を開発し、日本大学... (つづく)