2025.05.01 IT各社がコンサル事業強化 変革パートナーとして差別化

富士通は専門組織を新設

 国内のIT業界で、企業向けのコンサルティング事業を強化する動きが広がっている。富士通は新年度からコンサルティング専門組織を新設。NEC、日立製作所、NTTデータもそれぞれの強みを生かし、コンサル体制の強化や専門人材の育成を加速する。単なるITの導入支援にとどまらず、経営戦略そのものに踏み込む「変革パートナー」として存在感を高めようとしている。

 背景にあるのは人工知能(AI)やIoT、クラウドといった先端技術の目まぐるしい進化だ。国内のIT人材不足は深刻な状況で、企業が自社だけでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することは難しくなっている。そこで専門知識やノウハウを蓄積してきたIT企業はコンサルティング能力を強化。IT業界の競争が激化する中、単なるシステムインテグレーションやソフトウエア開発だけでなく、より付加価値の高いコンサルサービスを提供することで、他社との差別化を図ろうとしている。

業界横断的に変革支援

 富士通は2024年2月にコンサルティングブランド「Uvance Wayfinders」を立ち上げ、社内人材のリスキリングを進めてきた。新たに設立したコンサル専門組織「グローバルコンサルティングビジネスグループ」にはアクセンチュア出身の習田晋一郎...  (つづく)