2025.04.30 アルプスアルパイン、3月期連結は大幅営業増益
アルプスアルパインの2025年3月期連結決算は、モバイル向けや民生機器向けを中心にコンポーネント製品の販売が拡大し、円安効果も加わり、増収かつ大幅な営業増益となった。純損益は前期の赤字から黒字転換した。
セグメント別売上高は、コンポーネント事業はモバイル、民生、車載の各市場で売り上げが増加し、前期比14.0%増の3480億円。センサー・コミュニケーション事業はほぼ横ばい。モジュール・システム事業は、システム製品の欧州モデル終息や中国市場における日米欧自動車メーカーの低迷などにより減収となったが、同事業の営業損益はコスト構造改革の効果により前期の赤字から黒字となった。
また、2025年3月期は経営構造改革の施策として、アルプス物流株式の売却益270億円、パワーインダクターの事業譲渡益64億円を特別利益に計上した。
今期連結業績は、米トランプ関税の影響や為替の円高などにより減収減益を見込む。「25年度の車両生産台数は関税の影響を踏まえ、北米と中国の自動車生産台数について、市場予測以上に厳しい自社予測数字を前提とした」(同社)。26年度の営業利益に与える関税影響は現時点で約230億円を想定しているが、「できるだけ価格転嫁で対応していく方針」(同社)。
中期経営計画における27年度(28年3月期)の目標数値は、従来目標を据え置いた。