2025.05.16 AIを広報担当者の「相棒」に メタリアルからメディア露出後押しのサービス
中央:山家マネージャー
業務に特化した専門AI(人工知能)の開発や運用を手がけるメタリアルは、メディアに掲載されやすいプレスリリースを自動生成するサービス「広報AI」の予約を15日に始めた。リリースを採点し掲載の可能性を判定する機能を備えたことも売り。広報業務を効率化しながらメディアへの露出を増やしたいと考える企業のニーズに応える。
広報AIはパソコンやスマートフォンでいつでも利用できる新サービスで、6月1日からブラウザー上で使用できるウェブアプリを提供。ビジネスを扱う新聞などに自社の新商品などを効果的に訴求したいと考える広報担当者を支援する。
機能の1つが、リリースの生成機能で、担当者が概要文を入力するだけで訴求力のあるタイトルや本文を自動的に生成してくれる。このため利用者は、初稿作成の手間を大幅に減らすことができる。
その文章生成で威力を発揮するのが、複数のAIエージェントだ。エージェントたちがリリースの内容を基に対話し、多角的な視点から「読み手の心をつかむ表現」へと磨き上げてくれる。『広報AI』事業開発室の山家千晶マネージャーは「人が考えそうなことを雑談のようにAIに対話させる機能。リリースへの反応が客観視できるようになる」と説明した。
加えて、メディアに掲載される可能性を6つの判定ロジックで採点してくれる機能を搭載した。100人以上の広報担当者の知見とメディアの取材傾向に関するデータを基に開発した手法で、「話題性」「消費者視点」など6つの基準からリリースを客観的に採点して掲載の確率を導き出してくれる。60点満点で、30点以上がメディアに取り上げられる確率が高いリリースという。
新サービスでは、かゆい所に手が届く機能も用意。生成と同時に市場規模の参考値やファクトチェック(事実確認)が必要な箇所など、実務に役立つ情報を出力してくれる。さらに事業部からの依頼内容や「PDF」「PowerPoint」といった資料をアップロードするだけで、リリースを作成することも可能だ。
多くの広報担当者は、リリースを作成しても思うようにメディアに取り上げられないという悩みを抱えている。同社が広報担当者100人を対象に調査したところ、「発信したプレスリリースが希望するメディアに掲載された確率が10%以下だった」と回答した人が過半数を占めた。それだけに、広報活動の効率化とリリースの質向上が急務となっていた。山家マネージャーはこうした課題を踏まえ、「事業部サイドの人にもプレスリリースのニュース性などを気付かせることができる。リリースに携わるすべての人に使ってほしい」と述べた。
税込みの月額料金は、月15回まで採点可能なプランで5000円。同30回まで利用可能で生成と採点のセットプランで8000円だ。