2025.05.21 「米国はAIの拡大を最大化すべき」 エヌビディアのフアンCEOが対中政策に批判的言及

「われわれはAIインフラの始まりの時代にいる」とし、その進歩の重要性を語るフアンCEO

会見直前の会場会見直前の会場

 米半導体設計大手エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、21日に台湾・台北市で行われた会見で、中国市場の重要性を改めて指摘した。米トランプ政権の対中政策に言及しつつ、「米国はAI(人工知能)の拡大の速度を最大化するべき」と語った。

 会見は、20日に台北市で開幕したICT見本市「COMPUTEX(コンピュテックス)」に合わせて開催している同社主催イベント「GTC TAIPEI」の会見で行われた。米国が対中規制として同社製GPU(画像処理半導体)「H20」の輸出制限を設けたことを受けての発言だ。

 フアンCEOは「世界のAI開発者の多くは中国にいる」とし、中国製LLM(大規模言語モデル)のディープシークの推論能力を賞賛。その上で「中国での競争は非常に厳しい」との認識を示した。中国市場へ展開する必要性を説いた格好だ。

 フアンCEOは19日、COPUTEXに際しての基調講演で台湾オフィスの開設を発表していた。「われわれはより多くのチップを作る必要がある」と、グローバルなサプライチェーンを活用し、AIの進歩に向けて研究開発や製品展開を進めることに意欲を示した。