2025.07.07 【記録計・データロガー特集】横河計測 高速DAQユニット開発 デュアルキャプチャー機能搭載

高速DAQユニット「SL2000」

 横河計測は、高速データアクイジション(DAQ)ユニット「SL2000」を開発した。これはスコープコーダシリーズの製品。同シリーズは高速波形に適したオシロスコープの機能、多チャネルで長時間記録に適したデータロガーの機能を併せ持つ絶縁入力の統合型計測器となる。

 SL2000はシステムラックに搭載可能な高さ4Uの組み込み向け。豊富な機能を持ち、連続データ記録を実現するスコープコーダ「DL950」の提供価値を備える。主な用途は自動車や二輪車、産業機器向けで、耐久試験や評価試験の長時間測定に対応する。

 HV(ハイブリッド電気自動車)システムの開発の場合、2モーターシステムや4モーターシステムが採用されている。複数台のモーターシステムでも同期を取りつつ信号を捕捉し、全信号を解析できる。

 新製品は長時間の多チャンネル測定を行いながら、瞬時に変化する波形を詳細に解析するデュアルキャプチャー機能を持つ。操作モードは高速信号、繰り返し波形の測定に適したスコープモード、データロガーやレコーダーのように長時間の連続波形の測定に適したメモリーレコーダーモードを持つ。二つの操作モードを持つのが同社製品の強みだ。

 最大8スロット(最大32チャンネル)を備え、電圧や温度、加速度、ひずみなど20種類以上の入力モジュールから選択して搭載可能。電気信号、センサーによる機械的性能パラメーターや車載シリアルバス信号の解析など、多様な測定に対応する。測定チャンネル数を増やす場合は、最大5台のSL2000およびDL950を同期できる。

 サンプルレートは最大200メガサンプル/秒でオシロスコープに近い領域をカバーする。一般的にオシロスコープは非絶縁入力が主流。絶縁入力にはショートや故障、感電リスクを避けるメリットがある。絶縁入力で200メガサンプル/秒は高いレートになる。

 統合計測ソフトウエアプラットフォーム「IS8000」を使用すれば、耐久試験に必要な長時間計測、製品設計・評価業務の効率化を促進する。

 SL2000は5月下旬にリリースしており、複数台数での引き合いがある。