2025.07.08 【家電総合特集】後半戦の取り組み シャープ 永峯英行Smart Appliances&Solutions事業本部長
永峯 事業本部長
AIoT事業の拡大など
スピード感をもって取り組む
当社は4月からブランド事業を二つのビジネスグループに再編した。生活家電を中心としたスマートライフビジネスグループのビジョンを「あなたの明日を、もっとあなたらしく、ワクワクする日々に」と定め、新たな体験をもたらす特長商品の開発と暮らしに寄り添った独自サービスの創出に取り組む。
2025年の国内市場は、物価上昇などで大型家電を中心に厳しい状況が続く中、ウォーターオーブン「ヘルシオ」など高付加価値商品や、当社独自のプラズマクラスター搭載の除湿機やサーキュレーター、エアコンなど季節商品が順調だ。
ヘルシオは、新たに生成AI(人工知能)サービスに対応し、キャラクターとの対話を通じてさまざまな悩みに応えることで、日々の調理を楽しい家事に変えていける可能性がある。
キッチン家電では、昨年10月に発売した「ヘルシオ トースター」が、発売後3カ月で従来機比約8倍の販売台数とヒットした。「ヘルシオ ホットクック」は、若い世代を中心に調理にコンロを使用しない生活が広がりを見せる中、再び注目を集めている。
また、法人向けのレンタルサービスとして、「アイススラリー冷蔵庫」の引き合いが大きかった。5月のレンタル開始以降、建設・土木工事の現場、スポーツ施設など1000社以上から問い合わせをいただいている。
25年後半に向けては、中期経営計画でも公表した「AIoT事業の拡大」「美容・ヘルスケア事業の強化」「海外事業の拡大」の各テーマについて、スピード感を持って臨む。
生成AI対応商品は、ヘルシオに続き順次投入を計画。全AIoT家電の生成AI対応を目指す。お客さまの暮らし全体をサポートする独自の統合AIサービスの事業化にも挑戦し、〝次は〟・〝次も〟シャープ製品を購入したくなる仕組みを構築する。
また、今年はプラズマクラスター空気清浄機の発売から25周年を迎える。引き続き、特長的な商品とユーザーのベネフィットをしっかり訴求するプロモーション展開により、トップブランドを堅持し業界をリードしていきたい。
美容関連では、ヘアドライヤーやヘアアイロンなどの現状ラインアップを中長期視点で拡大するほか、ボディーケア商品の投入やM&Aを活用した新たな事業展開などに取り組んでいきたい。
ヘルスケア分野では、独自のセンシング技術を核とした新規事業への挑戦や、さまざまな社会課題に対し、当社ならではの〝目のつけどころ〟で、新たな解決策を提案していく。既に、見守り/運動管理ソリューションを法人向けに提供しているほか、フェムテック関連製品「生理用ナプキンIoTディスペンサー」の発売を予定している。
海外事業は、主力のASEAN地域で市場成長が見込める中、生産工場への投資により、旺盛な需要へ対応し、所得水準の上昇と環境意識の高まりを受けた高付加価値製品へのシフトを着実に取り込んでいく。
各国・地域の文化、価値観、宗教に即したローカルフィット商品の開発基盤を築いてきたが、今後はさらに高機能と省エネ性能を併せ持つ大型冷蔵庫やドラム式洗濯機、インバーター搭載エアコンといった高付加価値商品の開発を加速する。