2025.08.14 米SingleStore、日本市場に本格参入
ヴェルマCEO
米SingleStore(シングルストア)はこのほど、日本市場に本格参入し、国内での事業展開を加速する。AI(人工知能)に最適化されたデータ基盤が求められる中、超低遅延のAI対応データベースプラットフォームを提供し、ビジネス拡大を目指す。
同社は11年にMemSQLとして米国で創業。インメモリー型のオンライン・トランザクション処理(OLTP)データベースを、金融・サービス業界の大手企業に提供し成長を遂げた。20年に現社名に変更し、年間経常収益(ARR)を4年で1000万ドルから1億ドル以上に拡大するなど、ユニコーン企業としても注目を集めている。
現在、同社ではトランザクション処理と分析処理を単ープラットフォームで実行できる「HTAP(ハイブリッド・トランザクショナル/アナリティカル・プロセッシング)」データベースを提供。HTAPデータベースに独自のストレージアクセス技術などを組み合わせ、リアルタイム性に優れたデータ処理を実現する。
ラジ・ヴェルマCEOは「さまざまな分野でAIの導入が進む中、リアルタイムの高速データ処理はあらゆる産業で求められる。超低遅延のAI対応データベースプラットフォームを提供することで、多種多様な業種の次世代AIアプリ開発に貢献する」と話す。
同社は現在、世界7カ国にオフィスを構え、50カ国以上に顧客を擁している。日本オフィスは8番目の拠点進出となる。日本では金融、電機、通信、電力、製造業など各分野の大企業をターゲットとし、ビジネス展開を図る。
ビジネスを行う上で重要となるのがパートナー戦略。マイクロソフトやIBMなど、これまでグローバルで展開してきたパートナーとの連携に加え、日系SIヤーともパートナー契約を結び、日本での事業拡大に取り組む。
パートナーを通じた販売網とともに、サービスサポート体制も構築する。「パートナーサポートとテクニカルサポートを分けて体制を整える」(ヴェルマCEO)とし、人員採用を進めチームビルディングに取り組んでいる。
ヴェルマCEOは「日本への進出は2年前、シンガポールにAPAC統括拠点を開設した時から視野に入れていた。日本はテクノロジーを重視する世界でも有数の経済圏。AIの普及拡大とともに、当社の超低遅延データベースプラットフォームが顧客のサービス向上に貢献できる。日本の顧客を支え、事業拡大を目指す」と意気込む。