2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】NECソリューションイノベータ 岩井孝夫社長
AI活用で生産性向上
環境変化先取りし業界リード
DX需要は依然として旺盛だ。製造業を中心に基幹システムのモダナイゼーション(最新化)のニーズも拡大しており、大規模プロジェクトを担えるベンダーとしての強みを生かしていきたい。
自治体のクラウド移行や標準化案件も堅調で、地方拠点を有効活用しながら対応している。
中核事業であるSI(システム構築)では、AI活用による生産性向上とモデル化されたプロセスの変革で高付加価値化を目指している。
仕様通りの人月提供ではなく、顧客企業の複雑化した課題を整理し、価値を出していくコンサルティング的なアプローチが一層重要になっている。NECグループのアビームコンサルティングとの連携も強化。SIのモデル変革とともにコンサル機能の拡大を図り、包括的なソリューション提供を加速させている。
労働人口が減少する中、AI活用は必然的な流れ。システム開発を請け負うオフショア開発が盛んなインドやベトナムと異なり、日本はAIによる生産性向上で世界と戦うチャンスがある。日本のきめ細やかなITサービスや信頼性を武器に、グローバルでも「第三極」として存在感を高めていきたい。
AIの進展により、SIにも変革が求められている。プログラミングや単体テストなどAIで代替できる領域はシフトし、人員リソースをより付加価値の高い業務に振り向け、外部環境の変化を先取りして業界をリードしていく姿勢が重要だ。社員には「AIに使われるのではなく、使いこなす」よう伝えている。
生成AIの活用については、開発業務以外での活用も進めており、幅広い業務の効率化を推進している。
ヘルスケア領域では、血中のタンパク質を分析して将来起こり得る疾病を予測するサービス「フォーネスビジュアス」など、健康増進や未病予防のサービスを主導し、国内外で展開を進めている。
ジョブ型人材マネジメントも進んでおり、社員がプロフェッショナルとして挑戦・成長できる環境を整えている。ウェルビーイング視点の社員投資にも力を入れ、経営基盤の強化も図っている。業界の急速な変化に対応するには、組織としての柔軟性やカルチャー変革が不可欠であり、経営トップとして強く意識している。月に1回、社員とのタウンホールミーティングを開催し、コミュニケーションを深めている。
日本の貿易赤字の一部を占めるデジタル赤字は深刻だが、日本のIT業界の活性化がデジタル赤字の改善につながると考える。地政学リスクが高まる中、ITの独立性や安全性の確保が求められている。社会インフラ支援やサイバーセキュリティー対応も強化していく。