2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】NECネッツエスアイ 大野道生社長
AI対応の通信網構築
消防・防災などインフラ整備へ
前半戦の市場は順調に推移した。特に生成AI(人工知能)が一気に身近な存在になり、多くの企業や個人が実感するようになった。社内でも独自データ分析や社内エージェントの稼働など、実践を積極的に進めている。NECグループ各社と活用事例を共有し、相互に学習しながら実装を加速させていきたい。
AI導入の進展に伴い、不可欠となるのがネットワーク基盤だ。AIとロボットが共存する社会では、誤作動や不正アクセスを防ぐための強固なネットワークとセキュリティーが必要になる。
昨年11月には、次世代のネットワークコンセプトとして、安全で高速な通信環境をシンプルな構成で実現する「Virtual Trusted Overlay Network」を発表した。
AIエージェントが企業活動に浸透するほど、それを安全に動作させるネットワークの重要性が高まる。万一の不正挙動に備え、生産性を守る仕組みを組み込むことは当社の使命でもある。
FA化やロボット導入の広がりが追い風となり、製造業を中心にネットワーク再構築の要望が増えている。AI基盤を構築する上で必要なインフラとなるので、製造業を起点にサプライチェーン全体にニーズは広がりを見せている。
工場内のネットワーク環境を監視する「産業セキュリティ運用サービス」の機能強化も図った。産業用制御システムを展開するTXOneのエンドポイント保護ソリューション「Stellar」を追加しOT(機器制御技術)ネットワークの監視や保護に加え、OTデバイスの保護や不審な外部機器の接続を検知できるようになり、工場のセキュリティー運用の高度化を後押ししている。
当社とNECネクサソリューションズの全株式を承継し、両社を傘下に置く中間持株会社として、7月1日に「NESICホールディングス」を設立。また、10月にはNEC本体から消防・防災事業の一部を当社が承継する。対象は主に構築の領域で、NEC本体と役割を分担し、品質と機動力を兼ね備えた体制を築いていきたい。
近年激甚化する自然災害に備え、消防・防災領域の強化は社会的要請が強い。社会インフラを担う事業として全国に展開する拠点とノウハウを生かし、防災分野をグループの成長ドライバーにしたい。組織変革に向けては、既存組織に合わせるのではなく、必要な機能から逆算して組織を組み立てていく。
後半の市場環境もAI需要は確実に拡大する一方で、AIを悪用した脅威も増加するだろう。その双方に対応しつつ、AIと共存する安全なネットワーク基盤や消防・防災をはじめとした社会インフラ整備に貢献していきたい。