2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】東芝デジタルソリューションズ 月野浩取締役常務ICTソリューション事業部バイスプレジデント(東芝常務執行役員)
DX差異化領域で実績
AI活用ソリューション拡大へ
2024年度はICT関連市場全体が順調に伸び、SI(システム構築)をはじめ、AI(人工知能)や量子コンピューターなど当社が独自に進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の差異化領域も順調に伸ばすことができた。業績も増収増益で営業利益は過去最高を更新した。注力する製造業をはじめ官公庁や電力含む社会インフラ領域も利益に貢献している。
25年度は東芝グループで注力する社会インフラやエネルギー領域に当社の技術と知見を生かしデジタルで貢献していく。東芝グループで主要子会社の統合を計画しており、今後各社の事業にデジタルで付加価値をつけたサービス化が不可欠になってくる。グループで展開するハードにソフトサービスを融合しマネージドサービス化していく。
ITとOT(制御運用技術)の融合も重要で、今後はOT領域のセキュリティー対応が不可欠になってくる。当社グループの東芝ITサービスが持つSOC(セキュリティー運用センター)サービスと全国拠点網を生かした保守を組み合わせたセキュリティーサービスを今後強化したい。
当社の強みを生かした独自サービスも実績が出てきた。量子鍵配送で6月に仏オレンジ・ビジネス社と量子セキュア通信ネットワークの商用サービスを始めた。量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」はIT創薬での活用や金融での実証も進む。
気象データサービスでは、30分先の局地的大雨を予測する降雨予測サービスや降雹(こうひょう)予測も実現。大手保険会社2社が採用し雹害の保険サービスとして展開。今年はアンダーパスやくぼ地の浸水予測をする実証も始めた。海外展開も計画し今秋からマレーシアでスマート農業の実証を始める。
AIの活用も本格化。社員DX、顧客接点DX、プロセスDX、モノづくりDXの4領域で取り組むが、製造業向けソリューション「マイスター」シリーズや人財管理システム「ジェネラリスト」への適用も進む。開発プロセスへのAI適用も進め上流工程の効率化で成果が出てきている。
新規事業では東芝の「オープンイノベーションプログラム」の取り組みを強化するほか、パートナー連携も進め人事領域でsmartHRやタレントパレット、カオナビと協業している。誰でも簡単にIoTを作れるifLinkのコミュニティーは今年度に240社程度まで増えそうだ。引き合いも多くタイでifLink事業を始めることになった。台湾からも引き合いがきている。
25年度後半も引き続き市場環境は堅調に推移するとみており、DXを軸にしながらAIなどを活用した当社ソリューションの機能強化とサービス化を加速していく。