2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】日立システムズ 渡邉岳彦社長

全社横断でAIを活用

コンテナ型DC販売も本格化

 2024年度を最終とする中期経営計画はデジタル化やマネージドサービスの拡大、グリーンへの取り組み、経営基盤の強化など六つの重点施策に取り組んできたが、単体で売り上げ5000億円、グループ連結で6000億円を超え、利益も過去最高となった。

 この1年はデジタル化や企業のITモダナイゼーション(近代化)案件が伸長。26年3月までに移行が迫られている自治体クラウドや、27年でサポートが終了するSAPのERP(統合基幹業務システム)の移行案件も多い。

 25年度も前中計で掲げてきた重点領域が引き続き伸びていくとみている。足元までの市場環境もよく、自治体クラウドやSAPの移行案件は好調だ。特に生成AI(人工知能)の拡大に伴いデータセンター(DC)の投資が旺盛で、センター構築から運用までの需要が増えてきている。

 当社は、サーバー室などの関連設備の工事対応から、ITシステムの構築運用、自社DCの運用まで、幅広いノウハウを持っている。これら知見を生かしコンテナ型DCの展開をしてきたが、今年リニューアルし生成AI利用もできるコンテナ型DCを3種用意し販売を始めた。

 短期間で安価にDC環境を構築できるため、本格的に提案を強化する。当社の全国約300拠点のエンジニアによる保守対応もできることが特長だ。引き合いも多く27年度までに累計100億円を目指す。

 デジタル化の支援も、デジタル技術の導入から、トランスフォーメーション(変革)していくことが必要だ。特にこれからはAIがカギをにぎる。当社は24年にAI関連の専門組織を設置し、全社横断でAIを活用していく体制にした。

 この1年はAIを活用した社内の生産性向上や品質向上に取り組むだけでなく、自社ソリューションにAIを組み入れた展開も本格化した。既に当社の保守業務で生成AIの実用化を始めたほか、横展開にも取り組んでいる。営業活動へのAI適用も始めた。

 現在は全社規模でAIの統制がとれ、横断でAIを効率よく活用できるようになってきた。着実に成果になってきたため、システム要件定義や品質保証の領域でもAIを活用し、適用の幅を広げていきたいと考えている。グローバルの体制も整ってきた。まだ収益性で課題は残るがサービス化を加速させる。グローバルでSOC(セキュリティー運用センター)のサービスを展開する強みを生かし日立製作所グループへのセキュリティー支援もする計画だ。

 今年度は足元が好調な自治体や企業のデジタル化、モダナイゼーションの案件を着実にこなしながら、DCやグリーン事業を立ち上げていく計画だ。