2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】大塚商会 大塚裕司社長

ウィンドウズ特需堅調

まるごと提案とAIで成長

 上期はトランプ関税の影響なども懸念されたが、堅調なIT需要を背景に安定した業績を維持した。足元の市場は企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進やウィンドウズ10のサポート終了に伴う特需がけん引した。中堅・中小企業を含めた幅広い顧客層からIT投資が続いている。

 昨年12月に連結売上高が1兆円を突破し、市場の評価も高まってきた。

 コピー機保守中心の旧来モデルから脱却し、クラウドサービスやIT保守、ライセンス販売など幅広い商材やサービスを生かして企業の課題を解決する「オフィスまるごと」が当社の特色。オフィスサプライ事業「たのめーる」やIT支援総合プログラム「たよれーる」などストックビジネスも順調に伸長している。

 ストックビジネス比率は上場時の25%程度から現在は40~45%まで拡大している。多角化したストック型ビジネスモデルによって、リーマンショック時でも安定した収益を確保できた。さらに成長させていきたい。

 技術面では、AI(人工知能)を戦略の中核に据えている。資本業務提携するAI開発ベンチャーのAVILEN(アヴィレン)と協業して、中堅・中小企業向けAI人材育成とAI活用ソリューションの展開を強化している。

 当社は2017年からAIによる営業活動支援システムを本格稼働させ、アヴィレンのAI人材育成支援サービスなどを活用した社内教育にも積極的に取り組んできた。そのノウハウを中小企業向けにサービスとして提供していく。

 今期の業績を支えたのはウィンドウズ10のサポート終了に伴う約200万台のパソコン(PC)特需だ。ウィンドウズ7のサポートが終了した2019年の180万台を大きく上回った。今後、AI時代に適応したPCの全社展開が本格化し、企業のDXを本質的に支える基盤となる。教育分野のGIGAスクール構想関連を含めた市場機会の拡大も注視しつつ、継続的に需要に対応していく。

 今年下期はウィンドウズ特需もあって堅調に推移するだろう。重要なのは特需の反動減が見込まれる来年(2026年12月期)だ。

 需要の「山」の後の「谷」を極力浅くするため、関連するクラウドやセキュリティー、ネットワーク関連製品での付加価値提案を強化し、谷の影響を最小化したい。

 当社が扱う事業領域の推定市場規模は約50兆円に達する。まだまだ挑戦すべき伸びしろがある。市場の変化に柔軟に対応しながら、オフィスまるごと提案や各種ソリューションを確実に進め、中長期的に安定かつ持続可能な成長を目指していきたい。