2025.09.01 三重ブラザー、斎宮こぶしの杜OECMに登録
【津】ブラザー工業の子会社三重ブラザー精機(三重県明和町)が2017年から生物多様性保全活動を行ってきた「斎宮こぶしの杜三重ブラザー」が、OECMとして国際データベースに登録された。
ブラザーグループでは24年8月に「ブラザーの森郡上」(岐阜県郡上市)が登録されており、今回で2カ所目の登録となった。
三重ブラザーは、自然と共生し、資源が循環するモノづくり工場を目指し敷地内の斎宮こぶしの杜で生物多様性保全活動を推進している。活動内容は、地域の森から種を採取して育てた落葉樹の「こぶし」や地元団体から譲り受けた「ハナショウブ類」の植栽を行っているほか、草刈りや外来種の駆除などを継続している。
活動の結果、敷地内では近年生息が確認されなかった野草の「オオジシバリ」や「ニホンタンポポ」などの在来種や、「ハナバチ」や「カワセミ」「ミサゴ」のほか、多数のチョウ類も確認されるようになっている。取り組みの効果が評価され、環境省による「自然共生サイト(後期)」の認定を経て、このたびの登録となった。
ブラザーでは、生物多様性保全をグループが取り組む重要課題の一つとし「事業活動の環境負荷を最小化するとともにその負荷を上回る修復・保全活動を推進」することを定めている。
また、親会社であるブラザー工業は、環境省が発足した有志連合による「生物多様性のための30by30アライアンス」にも参加しており、目標達成に貢献している。
OECM Other effective area-based conservation measuresの頭文字をとったもので、国立公園などの保護区ではないものの、生物多様性を効果的に保全しうる地域。具体的には里地里山、水源の森、都市の自然などがこれにあたる。