2025.10.01 NTTドコモビジネス、AIなど重点4事業を強化 売上高5000億円規模へ

事業戦略を説明するNTTドコモビジネスの小島克重社長 =東京都千代田区

重点4領域の事業を強化する方針を示したNTTドコモビジネスの小島社長重点4領域の事業を強化する方針を示したNTTドコモビジネスの小島社長

 NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は、AI(人工知能)をはじめとする重点4領域の事業を強化し、合計で2027年度に5000億円以上に育てる目標を打ち出した。同社の小島克重社長が東京都内で開いた25年度の事業戦略発表会で明らかにした。ニーズの高い重点領域を軸にソリューションを展開し、全ての産業や地域が直面する課題の解決を後押ししたい考えだ。

 同社はAI以外に、「IoT(モノのインターネット)」「デジタルBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」「地域・中小DX(デジタルトランスフォーメーション)」の四つを重点領域と位置付けた。24年度の売上高は4領域の合計で、2500億円程度。小島社長は9月末に開催した今回の発表会で、「4領域の事業強化によって、27年度には2倍となる5000億円以上の事業規模に育て上げたい」と意欲を示した。目標額のうちIoTが2500億円、AIが1500億円になるという。

 NTTコミュニケーションズは、7月に社名を「NTTドコモビジネス」に変更した。1999年に長距離・国際通信を主力とする企業として誕生したNTTコミュニケーションズは事業を進化させ、「総合ICTソリューションプロバイダー」として成長してきた。小島社長は「社名を変えて、私たちのチャレンジは次のステージに入る」と表明。さらに、AIエージェントやロボットで人間の能力を超えた支援や制御を実現するなど四つの未来像を示した上で、「積み上げてきた提供価値をAI全盛時代に最適化された産業・地域を支える基盤として、『AI-Centric ICTプラットフォーム』という形で提供したい」と力を込めた。

 小島社長は、「大企業にとどまらず、地域や中小企業を支援する産業・地域DXプラットフォーマーとして日本経済の活性化、成長に貢献したい」とも強調。プラットフォームの核となる技術としては、ネットワークや付随するセキュリティー機能などをクラウドサービスのように提供する「NaaS(ナース)」を位置付けた。重点領域の課題解決に向けては、これまでに続々とソリューションを発表。今夏には、20種類の業務を自律的にこなすAIエージェントを用いたソリューションの提供に乗り出している。