2025.10.07 純国産人型ロボットの開発目指す「KyoHA」、 26年末に2モデル製作へ
9者が連携して純国産ヒューマノイドロボットの開発を目指す
純国産の人型ロボット(ヒューマノイドロボット)の開発を推進する団体「京都ヒューマノイドアソシエーション(KyoHA)」は、製作するロボットの概要や今後のスケジュールを公表し、26年末に2モデルのプロトタイプを製作すると発表した。また、新たにマブチモーターやNOKなど5者が参画し、大学を含めて9者が連携する体制が整った。各者の技術を持ち寄り、ヒューマノイドロボットの実装を目指す。
KyoHAは、村田製作所や早稲田大学、ロボット開発のテムザック(京都市)、SREホールディングスの4者が純国産ヒューマノイドロボットの開発を目指して6月に設立した。米国や中国がヒューマノイドロボットの開発で先行する中、ロボットの開発体制を確立して巻き返しを狙う。
技術全体を統括するのが、早大やテムザックなど。ハード機体は、機械向け軸受けなどを手がけるヒーハイスト、NOKなどが担当し、センシング・通信関連は村田製作所が担う。AI(人工知能)はSREホールディングスや沖縄科学技術大学院大学、アクチュエーターはマブチモーターやカヤバなどが手がける。産業界や学術界を横断するヒューマノイドのための日本連合として、今後広く参画を募る。京都市内で開いた記者発表会で、村田製作所の川島誠執行役員は「今後も一致協力して競合を追い越せるヒューマノイドロボットを作りたい」と話した。
製作するロボットは、2種類。1つがパワー重視モデルで、災害現場や建築・土木などの過酷な環境下での活動を想定した高出力型となる。高さ約250センチメートルで、50キログラムの重い物を持ち上げられるようにする。テムザックの高本陽一社長は「今ある技術を結集し、実際に役立つロボットを開発する」と話す。
2つ目が俊敏性・機能性の重視モデルで、高さ(身長)160~180センチメートルの成人サイズを想定。将来は、ロボット競技の祭典「ロボカップ」へ提供する。人間より高い能力を発揮できるロボットを開発し、普及につなげたい考えだ。
25年末に製作するロボットのスペックを確定した上で、26年3月にはヒューマノイドモデルの基礎構築と技術課題の把握を目的に、汎用品を活用した初期プロトタイプを製作。高さは120~125センチメートルを想定している。
KyoHAの理事長で早大の高西淳夫創造理工学部教授は「もう一度日本でヒューマノイドロボットを開発し、若い技術者も活躍できるようにしたい」と語った。