2025.10.10 NTTドコモビジネス、川崎重工とロボットの運用基盤で戦略的協業

報道関係者の取材に応じるNTTドコモビジネスの小島克重社長=東京都港区

「NTT docomo Business Forum'25」で講演するNTTドコモビジネスの小島克重社長=東京都港区「NTT docomo Business Forum'25」で講演するNTTドコモビジネスの小島克重社長=東京都港区

 NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)と川崎重工業は、ロボットとモビリティー、社会インフラが連携する社会の実現に向けて協業する。両社の強みを持ち寄り、多様なロボットなどを管理・運用できるプラットフォーム(基盤)の構築を目指す。

 両社は9日、戦略的協業に関する覚書を締結したと発表した。同日に東京都内で開いたNTTドコモグループの法人顧客向けイベント「NTT docomo Business Forum'25」の基調講演で、NTTドコモビジネスの小島克重社長が今回の協業に触れ、「さまざまなロボットがネットワークで産業プラットフォームに接続される環境を整え、人とロボットが共生する安全・安心で豊かな社会の実現に向けて取り組む」と表明。報道関係者の取材にも応じ、ロボットの管理・運用を支えるプラットフォームの構築に意欲を示した。

 締結に基づき両社は、ロボットやモビリティー、社会インフラに関するさまざまな製品を管理・運用できる産業プラットフォームを構築する。プラットフォームを活用したソリューションも用意し、その活用事例の実証も目指す。さらに、多様なパートナーやプラットフォームと連携する展開も視野に入れ、協業による成果を順次発表していく予定だ。

 少子高齢化による労働人口の減少などの社会課題が深刻化する中、両社は協業を通じて解決策を提供したい考えだ。人手不足が懸念される医療・介護や安全性の確保が欠かせない警備の現場では、ネットワークに接続された複数のソーシャルロボットがリアルタイムで情報交換し、単体では実現できない多様なサービスを提供するといった展開が想定されるという。

 川崎重工は、ロボットやモビリティーなどの分野で製品の開発力を蓄積し、社会課題の解決につながるソリューションを提供してきた実績を持つ。NTTドコモビジネスは、NTTが次世代の情報通信基盤と位置付ける「IOWN(アイオン)」などのネットワーク領域に強みを持つほか、AI(人工知能)やセキュリティーなどの先進技術を実装する経験を積み上げている。