2025.10.10 太陽誘電、車載電源向けハイブリッドコンデンサー刷新 定格リップル電流を70%向上 

ハイブリッドコンデンサー新製品

 太陽誘電は9日、パワーステアリングやADAS(先進運転支援システム)などの車載電源回路向けに、従来品比で定格リップル電流を向上させ、低背化を実現した導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー「HVX(―J)」「HTX(―J)」シリーズを商品化したと発表した。車載用電子部品の信頼性試験規格「AEC―Q200」に対応した従来の「HVX」「HTX」シリーズを刷新。自動車の制御系や安全系の電源回路のノイズ対策や平滑用途を想定している。 

 ハイブリッドコンデンサーは、ADASの高機能化に伴い大電流化が進む中で、設計自由度を高めるための低背化やサイズ展開が求められている。同社はこれに応え、従来品「RAHTX331M1TFH0002X」(定格リップル・135度、2000mArms)に対し、定格リップル電流を約70%向上させた「RAHTX331M1TFH0002JX」(同3400mArms)など計36アイテムを用意した。サイズはφ8×10mmからφ12.5×13.5mmまでの5種類をそろえた。 

 開発では、導電性高分子の含侵技術を最適化し、リップル電流性能を大幅に改善。特にφ12.5×13.5mmの低背大形状タイプを拡充した。使用温度範囲は-55度から+135度まで。サンプル価格は1個150円で、エルナーの白河工場(福島県西郷村)と青森工場(青森県黒石市)で9月から量産を開始した。 

 ハイブリッドコンデンサーは、導電性高分子と電解液を併用した電解質を採用し、低ESR(等価直列抵抗)特性と自己修復機能を両立する。車載用や産業機器用として、高信頼・高性能な電源部品への需要が一段と高まっている。