楽天グループと日本HPは11日、エージェント型AI（人工知能）ツール「Rakuten AI」を日本国内で販売されるHP製の個人・法人向けパソコン（PC）に導入すると発表した。デスクトップアプリケーション版「Rakuten AI」を標準搭載したPCを、2026年春から夏にかけて順次販売する予定。

　Rakuten AIは、クラウドを経由しないローカルモデルを用いたオンデバイスAIとして動作し、機密データの保護を強化しながら、オフライン環境でも利用できる。クラウド・エッジ・デバイス上のAIを組み合わせたハイブリッド構成により、パフォーマンスの向上とコスト削減を実現する。

　ユーザーは要約やライティング、翻訳などの汎用（はんよう）的なエージェント機能に加え、意思決定を支援する専門的な取引エージェント機能まで、多様な用途で利用できる。楽天が独自開発した日本語最適化の大規模言語モデル（LLM）を採用し、機密性の高い処理もローカルデバイス上で完結する。

　共同会見で、楽天のティン・ツァイ専務執行役員 CAIDO（Group Chief AI & Data Officer）は「PCへのRakuten AI導入で、エージェント型AIをより身近で有益なものにし、人とAIの協調を通じて働き方や創造性の進化を支援したい」と述べた。

　日本HPの岡戸伸樹社長は「エッジデバイス上のAIとクラウドAIを組み合わせ、直感的でパーソナライズされたユーザー体験を実現する」と語った。