2025.11.26 鴻海、データセンター向けインフラで米オープンAIと協業
鴻海精密工業とオープンAIがAI データセンター構築で協業
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は、米国のデータセンター向けハードウエアの設計と製造で、米AI(人工知能)開発のオープンAIと協業する。同社が先週開催した自社のイベントで劉揚偉(ヤング・リュウ)会長が発表した。オープンAIのサム・アルトマンCEOもビデオメッセージを寄せ、「米国で先進的AI時代の中核技術がつくられることは喜ばしい」と歓迎の意向を示した。
両社の合意によると、ホンハイはAI データセンター向けにサーバーラックをオープンAIと共同で開発するほか、米国で生産する。ホンハイはケーブルや電源システムも米国で生産する計画だ。協業の内容には金銭的な義務や購入に関する事項は含まれていないが、オープンAIがシステムの早期評価や購入決定のオプションを持つ。
具体的には、両社のパートナーシップは3つの重要項目から成る。第1は、AIデータセンター用ラックを含め、複数世代のハードウエアの設計。オープンAIのインフラロードマップとホンハイの製造技術を融合して複数世代のハードを製造する。第2は、米国でのAIのサプライチェーンの簡素化と拡張で、同時にチップセットや部品の調達を増やし、テストや組み立ても米国内で実施できる体制を確立する。第3としては、ホンハイがケーブルやネットワーキング機器、冷却システム、パワーシステムといった部品や機器を米国内で生産する取り組みなどを据えた。
ホンハイの劉会長は「当社は信用と拡張可能なインフラ提供で、オープンAIの使命達成を支援していきたい」とサポートに意欲を示した。
今回の協業は、オープンAIが推進する「Stargate計画」の一環。同計画では、4年間で500億ドル規模のデータセンター投資を計画している。米国でAIデータセンターの製造能力を強化することについてアナリストは、「AI時代のインフラを米国内で確保する戦略的な第1歩でもある」とみている。










