2025.10.28 中国電池大手の国軒高科 米国での工場建設計画を断念 

工場進出を断念した国軒高科のシリコンバレーにある米国法人

 中国電池メーカー大手の国軒高科(Gotion High-tech)が、2022年9月に発表した米国ミシガン州での工場建設計画を断念した。同社にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)が約30%出資し、筆頭株主になっている。 

 同計画では、国軒がミシガン州メコスタ郡のビッグラピッズタウンシップとグリーンタウンシップの両地区わたる211haの土地を取得。2350人を雇用し、車載電池工場を建設する計画だった。投資額は23億6000万ドルの予定だった。 

 計画頓挫の背景には、工場周辺の環境対策が十分でないと懸念する住民の反対が長引いている現状がある。さらに、政治的な問題にも発展。VWが筆頭株主とはいえ、米国政府が中国系企業に補助金を拠出することは問題という声も高まっている。 

 米国の一部メディアは、ミシガン州選出のジョン・ムーレナー下院議員も政府の工場建設支援に反対の意向を表明と伝えている。 

 今回のプロジェクトには、ミシガン州経済開発公社(MEDC)が支援している。MEDCによると、現場では120日以上工事がストップ。州の補助金1億2500万ドルはまだ支払われておらず、支払い済みで土地の購入費支援に充てられた2360万ドルについては、返還を要求しているという。