2025.12.17 富士通、ブレインパッドTOB成立 データとAI中核に事業構造転換加速
富士通は16日、データサイエンス企業のブレインパッドに対して実施していた株式公開買付け(TOB)が成立したと発表した。応募株数が買い付け予定数の下限を上回ったため、応募された全株式を取得する。
今回の公開買付けは、10月31日から12月15日までの30営業日で実施された。買い付け価格は1株当たり2706円。決済は12月22日から開始される予定。
富士通は、公開買い付け後の方針について、買い付け開始時に公表した内容から変更はないとしている。今後は、残る株式の取得を通じた完全子会社化も視野に入れつつ、グループとしてのデータ&AI事業の競争力強化を進める。中期経営計画の最終年度を迎える中、成長分野への集中的な投資を通じた収益基盤の強化につなげたい考え。
富士通は、ハードウエア中心のビジネスモデルから、サービスとソリューションを軸とする事業構造への転換を進めている。特に、データと人工知能(AI)を活用した価値創出を成長の柱に位置付け、事業ブランド「Uvance(ユーバンス)」を掲げてグローバル展開を加速している。今回のブレインパッド株式取得も、こうした戦略の延長線上にある。
ブレインパッドは、データ活用戦略の立案からAIモデル構築、運用支援までを一貫して手がけるデータサイエンス企業。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やデジタルマーケティング分野で実績を持つ。富士通は同社を傘下に収めることで、自社のデジタルプラットフォームや業種別ソリューションとデータ分析・AI技術を融合させ、提供価値の高度化を目指す。





